本日の勾留理由開示法廷はどうなるのかしら
ひょっとしたら世界中のメディアが注目しているのではないかしら、と思うのが本日のゴーン氏に係る勾留理由開示法廷である。
どうやら英語で陳述し、裁判所が英語の通訳を用意しているようだから如何にも国際法廷のような感じになるのだろう。
私が知っている国際法廷は極東軍事裁判の法廷だけだし、しかも映画で見ただけなので、後学のために傍聴したいと思うが、多分傍聴席はマスコミ関係者で占められているのだろう。
日産の元会長のゴーン氏がどんな姿で法廷に現れるか、ゴーン氏がどんな陳述をするのか、弁護人は予め陳述書を用意しているのか、法廷が終わった後に弁護人がマスコミに対してどういう話をするのか、マスコミはどう報道するのか、等々、知りたいことが山積している。
ちょっと気になるのが、何故この段階で勾留開示請求に及んだのか、ということだ。
延長後の勾留期限が1月11日に来るということだが、検察当局はひょっとすると勾留期限が到来する以前に起訴してしまうかも知れない。
勾留理由開示請求をするのだったらもっと早くするべきだったのじゃないかな、と思わないでもないが、弁護人がこの段階で勾留開示請求に踏み切った理由が今ひとつ釈然としない。
ゴーン氏が無罪を確信し、検察当局と徹底抗戦を貫くつもりだったとしたら、公安事件と同様にゴーン氏は勾留期限まで黙秘を続けたり、もっと早い時期に勾留取消し請求や勾留理由開示請求の手続きを取ったはずである。
ひょっとしたらゴーン氏と今の弁護人の間に隙間風でも吹いているのかな、と思わせるような展開ではある。
何にしても明日の勾留理由開示法廷からは目が離せない。
万一起訴が早まったら、勾留理由請求開示法廷はどうなってしまうのだろうか。
日産の機密費問題は、結構大きな事件に発展しそうだ
検察の次は、いよいよ税務当局の登場かな、などと思っている。
あくまで報道ベースでしかないが、日産に相当巨額の機密費があったことは間違いなさそうである。
この機密費の存在を知っていたのは、ゴーン氏とゴーン氏の側近中の側近ぐらいで、機密費の存在自体一切明らかにされてこなかった、ということであれば、結構大きな問題になりそうだ。
支出自体は明らかで、その使途が公表できないいわゆる使途不明金であれば、相応の税金を納付することでそれ以上の問題にならないこともあり得るが、機密費の存在自体一切明らかにされていない、いわゆる裏金とか隠し財産ということになると、事は重大である。
裏金とか隠し財産を発見したときの税務当局の対応は厳しい。脱税の嫌疑で日産の調査に入ることになるだろう。
裏金の支出が個人的な目的のためだったということが確定したら、税務当局はその支出相当額をゴーン氏の報酬なり給与と認定することになるかも知れない。
そうなったら、まず、今の弁護団だけでは対応出来なくなると思っているのだが…。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2019年1月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。