1月7日から国際観光旅客税、いわゆる出国税がスタートしました。
これは、日本の空港から飛行機に乗って渡航する場合や、港から船に乗って渡航する際に、一律1,000円の税金が航空機・船舶チケットに1,000円上乗せされ徴収されることです。乗継旅客(入国後 24 時間以内に出国)や、天候などの理由により日本に緊急着陸したり、日本に戻って来てしまった人は徴収されません。しかし、それ以外の日本からの出国者は日本人であろうとも外国人であろうとも、遠くに行こうが、近くに行こうが、みんな一律1,000円の税金が掛かります。
率直に言って私、以前から「日本でも実施すればいいのに」と思っていました。というのも、海外に行くことはほとんどの人が非日常的な出来事ですよね。一般的には特別なことであり、それなりの出費が最初から計算されていると思います。こういう場合は少しぐらい税金を徴収してもいいのではないかなと思っていた訳です。
ではこの税金、一体何のために始まったかというと、出入国管理を迅速にするための機器の導入や、不正パスポート、密輸品などを取締る機器の導入など、これらのような高価な機器を、毎年の予算要求ではなくて利用者からの徴収で賄う為です。
昨年、2018年の訪日外国人、いわゆるインバウンドは3000万人を超えましたし、来年2020年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されることを踏まえ、4000万人の訪日外国人客が見込まれていますから。前述の税金の使い道以外にも、数多くの外国人客観光客が集まる場所などで、多言語表示対応などの観光インフラ充実にも充てられます。
一律1,000円で見込まれる今年度(1月7日〜3月末まで)の税収は60億円程度、そして来年2019年度は500億円(年間)が見込まれるそうです。ただ、出国税は一律1,000円ですが、空港を利用すると他にも旅客取扱施設利用料と旅客保安サービス料が既に徴収されています。これらの合計金額は空港毎で異なりますが、空港ごとの費用例として、関西国際空港(国際線)が3,040円、成田国際空港(第一・第二ターーミナル使用時)が2,610円、羽田空港(国際線)で2,570円となっています。これらの費用に今後、出国税が1,000円上乗せされますので、例えば関空を利用して出国した場合、4,040円掛かります。
私、冒頭で「日本も実施すればいいのに」と言ったのは、これまでも海外では関連する費用を既に取られてきた経験があるからです。各国で名目はそれぞれ違いますが金額の例を挙げると、ドイツは41.97ユーロ程度 ( 約5,300円)、オーストラリアは60豪ドル(約4,700円)、アメリカは14USドル(約1,500円)となっています。イギリスは渡航距離やクラスによって違っていて、日本までエコノミー利用で78ポンド(約11,000円)、ビジネスクラス以上だと156ポンド(約22,000円)がそれぞれ徴収されます。
今回の新たな仕組みに私は賛成です。
ぜひ有効に使ってもらいたいと思います。
それから忘れてはならないもの、海外の必需品『パスポート』です。
下の表、覚えてますか?
以前『【祝】あなたの世界一!何だかんだで大事ですよね、コレ」というブログでもご紹介した世界のパスポートランキングです。まだの方はぜひ上のリンクからチェックしてみてください。驚きますよ。
順位 | 国名 | ビザなし渡航可能国 |
1位 | 日本 | (180カ国) |
1位 | シンガポール | (180カ国) |
2位 | ドイツ | (179カ国、前年1位) |
3位 | フランス・イタリア・デンマーク・フィンランド・ スウェーデン・スペイン・韓国 | (178カ国) |
4位 | イギリス・オランダ・ノルウェー・ オーストリア・ルクセンブルク・ポルトガル | (177カ国) |
5位 | アメリカ・スイス・ アイルランド・カナダ | (176カ国) |
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年1月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。