こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
昨日は宇野常寛さんにお声がけをいただきまして、彼が立教大学で持っている授業「若者とメディア」にゲスト登壇させていただきました。
大学生が相手なのでわかりやすい話をしようと心がけて…いたのは最初の5分だけで、結局宇野さんに引っ張られていつものマシンガントークに(苦笑)。
大教室でかなりの人数がいたのですが、居眠りする人や途中退室も少なく、熱心に聞いていただけたようです。
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さて、ディスカッションは五輪大会から2020年以降の東京都政、そして私の地元・北区をはじめとする基礎自治体改革まで多岐にわたったのですが、そのうちの一つが「テクノロジー(IT・ネットetc)と弱者」について。
私の地元・北区は東京23区で高齢化率不動のナンバー・ワンであり、また住民における障害者比率でもトップになっています。社会的にハンディキャップを負っている人たちが多い自治体といえます。
だからこそこれからの北区の打ち出すべき最重要ポイントの一つは「テクノロジー×福祉」だと個人的には考えています。
例えば、すべての高齢者にシンプルな格安スマホを配って、福祉をできる限りその中で完結させる。医療介護の情報提供はもちろんのこと、商店街や公衆浴場で使えるクーポンもそこで配布。希望者にはログイン状況で安否を確認する「見守り機能」を付帯するなどすれば、孤独死を防ぐこともできます。
行政手続きも、窓口に行かなくてもネットを介してほぼすべてスマホで完結することは可能なはずですし、外出が困難な方の買い物などもサポートできます。
実際に行政におけるIT化のフロントランナーであるエストニアでは、高齢者ほどネットを使いこなして生活利便性を高めていることは、以前に視察レポートでお伝えした通りです。
過去記事:
「まず高齢者向けサービスから電子化・IT化せよ!」エストニアの逆転の発想とは?!
こうした話の流れを受けて、宇野さんが
「ITやネット、テクノロジーというと若手とかシリコンバレーみたいな『強者』のイメージだけど、むしろ弱者をサポートするためのものでもあるはずなんだよね」
とコメントされたことが、まさに的を射ているなと思いました。
ITやネットを活用というと、条件反射のように「高齢者を見捨てるつもりか!」「若い人にしか対応できない」と言われがちですが、むしろまったく逆。
ITやネットを使うと新しいことやこれまでにないチャレンジができるだけでなく、不便だったことや思うようにできなかった身の回りのことが「あたりまえに」できるようになるわけです。そしてそれは、ハンディキャップのある人により効力を発揮します。
むしろこの後者の側面こそITに精通した若手政治家はしっかりと主張していき、行政や高齢者の「ITアレルギー」ともいうべき状態を解消していかなければならないのではないでしょうか。
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翻って私の地元・東京都北区は、それなりの都心にありながら高齢化が進んでいるという、こうしたIT・テクノロジーを使った行政・社会インフラの構築にトライするために最適とも言える条件が整っています。
北区は渋谷区や港区みたいになることは決してできないけれど、「課題解決先進都市」として、新たなモデルケースを都内のみならず国全体に示すことができる可能性を秘めているのではないかと思います。
地に足がついた成功例を作り出していくため、都政・区政双方から政策実現の働きかけを模索していく次第です。
登壇の機会をいただいた宇野常寛さん、今回もありがとうございました!
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、あたらしい党代表、東京都議会議員、音喜多駿氏(北区選出)のブログ2019年1月9日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。