五輪招致疑惑:記者会見だけでは捜査を辞めさせられまい

昨年11月、ANOC総会で登壇する竹田会長(ANOC Media/flickr=編集部引用)

日本オリンピック委員会は、どうやら後手を踏んでいるようである。

今から記者会見を開いても、なんで今頃なんだ、そんな説明でフランスの予審判事や検察当局が本当に納得しているのか、とマスコミの集中砲火を浴びるだけに終わりそうだが、それでも何もしないよりはした方がいい。

フランスの刑事法制に詳しそうな方から、公職にある人が予審判事の取調べを受けるようになったら即辞任ものですよ、という指摘があったが、竹田会長の一度の記者会見だけでオリンピック招致活動に係る疑惑を一掃することなどまず無理だろう、というのが私の見立てである。

捜査は延々と続くのだろうな、と思っている。

フランスの検察当局も予審判事も特に急いでいないようである。
ひょっとしたら2020年東京オリンピックが終了しても一連の捜査は終わらないのかも知れない。
オリンピック招致活動に関わったとされている広告代理店まで捜査の対象となっているのだとしたら、2020年東京オリンピックの協賛企業に名を連ねている企業も無関心でいられなくなるはずである。

一連の捜査を終結させるためには、日本オリンピック委員会の方から真相の解明に必要な資料を提供するしかない。何も問題はありませんでした、という第三者委員会の通り一遍の調査報告書の提出くらいではフランスの検察当局も予審判事も納得しないだろう。

何はともあれ、15日に予定されているという竹田会長の記者会見には注目する必要がある。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2019年1月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。