「地域づくりの担い手を増やしたい、あるいは地域から起業家を育てたい!」とセミナーを開いても、集まる人はいつも同じようなメンバーばかり。新たな担い手が生まれることは滅多にない。どうしたらいいのだろう??
と、考えている行政や金融機関の関係者は少なくないだろう。
そうした課題への一つの好事例が、「熱中小学校」だ。合言葉は、「もういちど七歳の目で世界を・・・」。平均年齢52歳の大人たちが真剣に学び、実践する。
2015年山形県高畠市で始まり、2018年12月現在、国内12か所の他アメリカ・シアトルにも広がる。
今年11月22日に開催された「第16回まち・ひと・しごと創生会議」では、地方創生の優良事例として、安倍総理、麻生副総理、菅内閣官房長官、片山国務大臣等にも紹介された。資料は、こちら。
今回、高知県越知町で開催された「熱中小学校」に参加し、気づいたことを簡単にまとめてみました。
まず、1番の特長として挙げられるのが、参加者の構成がいろんな意味で多様であること。
●男性だけでなく女性の参加者が多い。
●地元だけでなく、県内外からの参加者が多い。
●世代が多様。
●職種やキャリアが多様。
多様であるがゆえに、交流やイノベーションが生まれやすい。
そして、多くの参加者に熱量があること。
では、なぜ、このような場が生まれているのだろうか?
●一期半年で、授業料は原則1万円(高知は1.2万円)。
⇒自ら進んで学びたい人だけが集まる。
●1県1学校限定。
⇒県内各地から集まりやすい。
●生徒はどの学校にも参加可。
⇒全国から集まりやすい。
●講師が一流かつ多様で面白い。
⇒国語、算数、理科、社会、図工・・・小学校の科目になぞらえ、多くの科目があるので、多様な人が関心を持ちやすい。
●メディアへの発信。
⇒関心を持つ・関心が持続するきっかけになる。
●部活、課外活動。
⇒生徒自らが進んでやる余地が大きい。
●所信表明と今月の目標。
⇒毎回、生徒が自らの言葉で周りの生徒に語るので、気持ちが高まりやすい。
「おきゃく文化」の高知で、「熱中小学校」終了後も、日付が変わるまで宴会を楽しみ、交流を深めました。楽しく、熱い、とても面白い場づくりだと思います。
会を重ねるごとに、起業したり、新たな商品を開発する人も。熱中小学校の先生が皆様にお勧めしたい商品「熱中チョイス」や、熱中小学校の生徒が独自に開発した商品「熱中ブランド」を扱う「熱中通販」もオープン。
場づくりから新たな取組が生まれる好事例ではないでしょうか。
熱中小学校ホームページは、こちら。
もう少し知りたい!
●地域クラウド交流会
●地方創生「産官学金労言」という落とし穴
<井上貴至 プロフィール>
編集部より:この記事は、井上貴至氏のブログ 2019年1月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『井上貴至の地域づくりは楽しい』をご覧ください。