米連邦政府機関の閉鎖は、米中貿易協議に影響しない・・・はずでした。
米通商代表部(USTR)が14日にリリースした声明では、通商協議を含め業務を続行させると表明しました。しかし、蓋を開けてみれば、交渉窓口であるUSTRのフルタイム職員265名のうち、約3分の1に相当する74名しか勤務を継続できない状況だというではありませんか。他ならぬ、”コンティンジェンシー・プラン”にその人数が明記されています。
ご案内の通り、米中通商協議の猶予期間は3月1日まで。1月7〜9日に米中次官級通商協議が開催されたように、通商協議を進展させる上で必要な中核部門の人材を確保しているに違いありません。しかし、果たして米中が妥結の道を見出せるようなウルトラCを導き出すことができるのでしょうか?
政府機関の閉鎖の影響もさることながら、中国関連と言えば2018年10〜12月期の決算シーズンを控えるなか、投資家が注目するのは中国エクスポージャーの高い企業でしょう。アップルの業績見通し下方修正を皮切りに、他業種の大手企業も見通しを修正しないとも限りません。
ここで、S&P500構成企業で中国の売上比率が高い主な企業一覧を振り返っておきましょう。
(作成:My Big Apple NY)
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙は、次の要注意銘柄としてテクノロジー関連ではなくスターバックス、ナイキ、ウォルマート、ヤム!ブランズなどを挙げています。こうした消費財関連は、政府機関の閉鎖に伴う政府職員の支出による下押しも懸念されるだけに、中国の景気減速との二重苦に直面していると考えざるを得ません。振り返れば、2013年10月の政府機関閉鎖で、2013年10〜12月期の成長率を0.4%ポイント下押しされましたよね。
(カバー写真:futureatlas.com/Flickr)
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2019年1月15日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。