分担ではなく、好意と感謝『逃げるは恥だが役に立つ』

井上 貴至

今治(いまばり)から岩城島(いわぎじま)へ。快速船で。
目線が低く、しまなみの波と風が気持ちいい。

隣の佐島(さしま)で、移住者の方が居心地が良いブックカフェをオープンしたという。少し足を延ばすことにした。

自分たちで持ってきた本、島の人たちが持ち寄った本・・・、さまざまなジャンルの本が並ぶ。セレンディピティだ。

逃げるは恥だが役に立つ』を手に取った。9巻全て読みふけってしまった。

大学院卒。派遣切りにあった森山みくりは、家事代行業を務めることに。生活費を節約するため、雇用主に、契約結婚を提案する。

その後、好意、本当はもう少し関わりたいが傷つきたくないからかかわりたくないという葛藤、世間体、・・・を経て、最後は家庭の共同最高経営責任者(=パートナー)となる。

本当の意味でのようやくの結婚生活。家事や生活費について「分担」を決めるが、1か月たつとお互いが疲れてしまう。「分担」では、相手がしなければ、できなければ、イライラする・・・

月一度の最高経営責任者会議(=夫婦会議)で本音で話し合い、「役割」と「義務」ではなく、「好意」と「感謝」が大事だということに気づく。

なるほどなぁと思った。
熟年結婚や同性愛など多様な家族観を問う良作。ぜひ。

<井上貴至 プロフィール>


編集部より:この記事は、井上貴至氏のブログ 2019年1月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『井上貴至の地域づくりは楽しい』をご覧ください。