大坂なおみさんに特別に二重国籍みとめてはどうかという人がいるが、私は反対だ。それは正義に反する。
人は平等なのだから、一人分の権利と一人分の義務を果たすべき。もし認めるなら選挙権は0.5票とかいう制度をつくるべきだ。あるいは、旅券はどちらかの国を選ぶとかいうのも一考だが。二人分の権利と一人分の義務は絶対におかしい。
大坂さんは22歳になったら国籍選択すべきだ。これは強い義務だ。そのときに、もし日本国籍を選んだとして、アメリカ国籍離脱をすぐにするべきかどうかといわれれば、すべきであることは疑いない。
もっとも、彼女が有名人であるから他の人の場合には、黙認している現状で、特別に強い義務としてすべきかどうかは難しい。政治家などは義務を果たすべきだが、そのほかの国民は有名人も含めて平等だ。
ただし、公的な表彰をしたり、公的な立場につけるのは義務をはたさない人は避けるべきだろう。二重国籍に問題ないというなら、二重本籍とか二重住所もみとめてはどうか。便利そうだから二重の義務がないなら使いたい。
二重国籍容認論の背後に在日韓国・朝鮮人の利益も
韓国は李明博政権のときに有用な人物には二重国籍を認めたが、それは、正義を軽視する新自由主義的政策として行われたもので、日本の左派系の人で二重国籍を容認しようという人は、在日朝鮮人などの二重国籍を認めさせるために突破口としてこれを支持しているのが実情だ。
一方、エスタブリッシュメントにも二重国籍容認論が多いが、それは、自分とか親戚、知人に希望者が多く、それを支援するためのもので、正義に基づいた主張ではないと理解している。
そういうわけで、私は二重国籍は認めないという制度は維持しつつ、現実に生じるような不便を必要に応じて解消する措置をとればいいと思う。たとえば、日本国籍を放棄しても一定の範囲で権利が行使できるとか、国籍の回復が容易だとかいうことだ。
また、理想はなにかといえば、世界的に二重国籍を禁止して、そうした一定の条件の人が不利にならないようにルールも定めることだと思う。
逆に、もし仮に日本でも二重国籍を認めるなら、正義のために、さまざまな制約をつくるべきだ。選挙権は外国選挙権を行使しないという確実な保証があるときしか与えないし、もし、行使したら日本国籍を剥奪するとか、旅券は別の国の旅券を外務省で預かるか日本旅券を発行しないかどちらかにすればよい。また、特殊な事情があるケースもあるから、2国間で特別取り決めをしても良いと思う。
それから、もし、二重国籍を認める場合には、忠誠宣言を要求する制度をつくるべきだ。もうひとつの国には忠誠を誓って、日本には誓わないというのは許されない。
追記 12:00(Facebookでの議論を踏まえて書いたコメント)
国際的な仕事をする人はだいたい周囲に二重国籍を持つ、あるいは、もてると便利だと思う親戚や友人がいる。だから、二重国籍をみとめてやったらという人が多い。私のまわりだって家族を含めてそうだ。だからといって、特権的な権利行使を可能にすることを支持するのは正義を大事にする信条に反するから支持しない。脱税とテロの温床だ。
いずれにせよ、究極的には条約による国際的な制度統一が好ましい。応急措置としては、図々しい人が義務を果たさず二重国籍のままなのを、実際的な不便をなくす特別措置を講じた上で、二重国籍を厳しく禁じるか、容認したうえで、旅券の二重交付をやめるとか、選挙権行使に制限を加えるとかを考えるべきだ。