コンビニで売るのは恥ずかしいし、売れないし・・・やーめた!

コンビニ各社が成人向け雑誌の販売中止を相次いで打ち出しています。

セブンイレブンは8月末日をもって原則全店で販売中止。ファミリーマートやローソンも同様の方針を打ち出しました。セブンイレブンの場合は原則販売中止としつつも、最終的な判断はフランチャイズのオーナーの判断ということだそうです。

これに対してミニストップは2018年1月1日元旦から業界に先駆けて全店で販売中止としたのは立派ですね。功績を称え、今度から甘いものが欲しくなったらミニストップのソフトクリームを選ぶことにします。

それにしても、あれから16年経つんですね。

というのも当時横浜市長だった私は平成15年、コンビニに対して成人向け雑誌、要はエロ本の販売に「有害図書 コンビニなど陳列規制強化を」と苦言を呈していました。

当時、私は水道料金や国民健康保険料金をコンビニで納付できるような方針を打ち出していました。コンビニはすぐに食いついてきて、「是非やらせて欲しい」というスタンスでした。それは当然の事でしょう。なぜならコンビニには手数料収入が入って売り上げが伸びるからです。

それまでのコンビニと言えば、コンビニが酒や本の取り扱いを始めた事で、酒屋や本屋の淘汰が進み、当初は様々な異論がありました。なぜならば、町の酒屋には、地域に根ざした商売が地域の顔が見える関係を構築してきたのに対し、『コンビニでは未成年かどうか分別のつかないような客にまで、お酒やたばこを売るような事になって大丈夫か』という様な事です。

新たな商品を取り込み、業務拡張には積極的姿勢を見せるコンビニ業界ですが、水道料金や税金まで納付できる公共的な空間になるのであるならば、社会的自覚が欲しいと思います。したがって、私は首都圏の知事らが集まる8都県市首脳会議(現在の九都県市首脳会議)で、苦言を提しました。

直後、これに関する反発や私への批判、『表現の自由だ!』『販売の自由だ!』等々、様々な方面から寄せられました。特に、当事者であるコンビニ業界からは『余計なお世話!」と言わんばかりの批判を受けました。名前こそ挙げませんが、再大手の会社からは『営業妨害だ!』とまで言われました。

私、別に営業するなと言ったのではなく、『場をわきまえた販売』をするべきではないかと言っただけです。女性や子供も買い物に出入りする。レンタルDVD店に行くと、18歳未満禁止の作品は、区切られた場所や、仕切られた向こう側に置いています。だからコンビニも、「レンタルDVD店の様な対応をして売ればいいじゃないか」と批判されても、言い続けました。その結果、成人向け雑誌の陳列棚には、仕切板ができましたし、シールを貼り本を開けなくしたのは、あの時からです。私が言い続けても、そこまでの変化でしたが、16年かかってようやくコンビニ業界も理解したか。っと思ったらどうも違うみたいでした。

ではなぜ今なのか。それは昨今、コンビニでの成人向け雑誌販売は売上全体の1%以下で、10年前の10分の1程度に落ち込んでいるからだそうです。今の世の中、インターネットで見れるからですよね。そこに加えて昨今は外国人が増加し、今年はラグビーのワールドカップ、来年は東京オリンピック・パラリンピック、そして大阪万博と続き、ますます外国人の来店者数も増えます。

っと言う事で、要は『儲からなくなった上に、外国人に恥ずかしいから』と言う理由だからなんですって。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年2月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。