災害関連死が犠牲者全体の8割 !?

自然災害の頻発化・激甚化が進み、従来の災害対策の限界が露呈しつつある中、災害対策の在り方を見直す必要性が高まっています。

写真AC:編集部

自民党には『災害対策特別委員会』という部署があるのですが、従来、この委員会は発災時の対応を主としており、平時から「災害対策の在り方」について検討する機会は多くありませんでした。
このため、『災害対策特別委員会』の下に小委員会を立ち上げ、災害対策見直しの検討を行うことにしました。

先日開催した第1回目の小委員会では、新潟大学の榛沢特任教授と避難所・避難生活学会の水谷理事をお招きし、避難所におけるエコノミークラス症候群対策についてディスカッションしました。

熊本地震における災害関連死者数は215名で犠牲者全体の80%でした。

中越地震においても災害関連死者数は52名で犠牲者全体の76%となっており、災害関連死は非常に大きな問題であることがわかります。

また、東日本大震災における災害関連死のうち、約51%が劣悪な避難所環境が原因となっています。

劣悪な避難所環境の例としては、

  • 雑魚寝によって高齢者が床から起き上がることが容易でなくなり、運動量が低下することによってエコノミークラス症候群になってしまう
  • 不衛生な仮設トイレの使用を嫌って我慢し、水分を摂らないようにすることで血液濃度が上昇し、エコノミークラス症候群の発症を助長してしまう
  • 食事が菓子パン、カップラーメン、冷めて油っこい弁当などに偏っており、食事を摂らなくなる避難者が次第に増えていく

などが挙げられます。

こういった避難所環境を改善するためには、避難時の段ボールベッドの使用、コンテナトイレの活用、避難所における炊き出しの実施などが求められます。

このような取組の普及に向け、これから小委員会において対策を取りまとめていく予定です。


編集部より:この記事は、衆議院議員、鈴木隼人氏(自由民主党、東京10区)のブログ 2019年2月19日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は鈴木氏のblogをご覧ください。