厚生労働省といえば、統計の不適切データの震源地で、如何しようも無い役所だなと言わざるを得ませんが、昨年の国会で『働き方改革』が議論されていましたけれども、今、医師の働き方改革に関する検討会というその名の通りの議論が厚生労働省で行われています。
実は、『人の命に関わる』『人間が相手だから』と言うような職場はかなり過酷な状態になっています。例えば医者や教員、はっきり言って政治家もそうです。これらの職業は聖職と呼ばれ、こういった職業に従事する人間は『休むことも許されないのかというような過酷さです。
『医者も政治家もらくしておいしい仕事だよね』なんて思われてますけれども、全く違います。はっきり言って、一部の人がメディアで報じられたり、事件起こしたりするから、世の中に人が偏見を持っていると思います。
さて医師版の働き方改革の検討会では、医師の時間外労働上限を1,900〜2,000時間に設定する議論が一部で出たことで波紋が広がっています。今回議論になった年間の時間外労働、すなわち残業時間上限が2,000時間を、月に換算すれば170時間、週にすれば42. 5時間、そして、週5日勤務と仮定すれば、1日約8.5時間の残業の計算になります。ということは、1日8時間勤務として、それに8.5時間ということは1日16.5時間勤務ということになり、私みたいです。
2年前に『医師の勤務実態調査』があり、そこでは1,920時間を超える医師が全体の1割もいたそうです。そうした医師がいる大学病院や救命救急センターがある病院に限るとなんと9割にのぼります。ほとんどの大学病院にいらっしゃるんですね。
ということで、先ほどの上限の時間数というのはこうした実態に合わせてしっかりとした働き方改革の仕組みが整うまでの特例的な時間ということで議論されているようですが、ちなみに業務がやむなく長時間になる医師に限り、ほかの一般勤務医の上限は年960時間だということです。
大きな病院や大学病院などは、こうした職場環境で辞めめてしまったり、開業医になり退職などで人がいなくなる悪循環。これは私もいろんなところで実態として知っています。
医療技術面や管理業務面で医師の負担軽減を図っていく事は、私はありだと思うのですがこれは医療現場の専門的な知識がないので私にはわかりません。ただ私は、国民の側に立って考えた時、医師を忙しくさせているのは国民でもあると思います。
風邪でもなんでもかんでも、ちょっとした症状でみんな病院に行き過ぎですよ。
先日、知ってますか?ご褒美税制【セルフメディケーション】でセルフメディケーションについて書きました。
セルフメディケーションとは、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と世界保健機関(WHO)は定義しています。この事を今一度考えるべきです。
それから救急車の不適切利用で、救急医療現場が疲弊しています。これは国民のモラル、とも言えるけど、仕組みも議論すべきだと思います。
不適切利用に対しての罰則適用、それから救急車の有料化、こういった事を真剣に検討すべきだと思います。
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年2月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。