北海道胆振地方で昨年から相次いで大型地震が起きた原因について、鳩山由紀夫元首相が、震度6弱の揺れが起きた22日夜、ツイッターで「苫小牧での炭酸ガスの地中貯留実験CCSによるものではないか」などと持論を述べたことが、波紋を広げ続けている。
CCSは「Carbon dioxide Capture and Storage」の略称。温暖化対策として、二酸化炭素(CO2)を地下1000メートルの地層に送りこむ技術だ。鳩山氏は地震発生前の2月2日、このCCSが昨年9月の胆振地震を含む日本各地の大地震の原因になった可能性を否定できないとして調査すべきだと持論を展開した。
そして、今回の地震が起きる約3時間前の午後6時12分にもCCSと地震の因果関係を主張するツイートを投稿。
さらに午後9時22分ごろに震度6弱の地震が発生した直後も再び投稿。「本来地震に殆ど見舞われなかった地域だけに、CCSによる人災と呼ばざるを得ない」などと地震の原因がCCSにあると断定的にツイートした。
この地震直後のツイートは特に波紋を広げ、アゴラ執筆陣の宇佐美典也氏は「これが元首相か、、、」と唖然。
ネット民からも「いい加減なことを発信しないで」などと非難が殺到した一方で、
一部には鳩山氏を擁護する意見が見られた。
そして、毎日新聞が翌22日夜、北海道警が地震のデマ情報を調査し、認定した16件の中に鳩山氏のツイートが含まれたと報道したことで騒ぎが再燃(北海道庁の認定資料はこちらの最終ページ)。さらに鳩山氏が道警に対し、「科学的データも調べないでデマと認定した」と抗議したことで、騒ぎが収まる気配を見せなくなりつつある。
この「逆ギレ」とも言える鳩山氏の反応に、今度は高須院長が目を丸くしていた。
なお、一連の騒ぎに池田信夫は鳩山氏をバッサリ。
苫小牧のCCS施設を運営する日本CCS調査は昨年11月、「北海道胆振東部地震のCO2貯留層への影響等に関する検討報告書」を公表。検証結果をもとに
CO2の地中貯留と、約30km 離れた場所で発生した本地震との関係を示唆するデータは確認されていないとの共通認識が委員の間で得られた。
と報告している。