今週のつぶやき 金融市場・はやぶさ2・米中貿易協議

堀ちえみさんが長時間にわたる舌がんの手術を行ないました。前週の池江璃花子さんに続いて2週続けてがんが話題をさらいました。そんな中、体内に遺伝子を入れて病気を治す「遺伝子治療薬」が今年5月にも日本で初めて登場の見込みで、足の血管を再生する薬と血液治療薬の承認が了承されることとなりました。医学の進歩は目覚ましく、がんが克服できる日が遠くないことを祈りたいところです。

さて今週のつぶやきです。

私は何故、市場のことを毎週この欄に書くのか?

写真AC:編集部

不思議に思っている方もいらっしゃるでしょう、どんなに大きなニュースがあっても「今週のつぶやき」では私は市場のニュースを一番に取り上げてきました。もちろん、投資をしているということもあります。それだけなら別に皆さんに披露しないで個人の中に仕舞っておけばよいだけです。私がここに書く理由は最も安定的に連続性を持った数値だからです。

世の中、日々刻々、様々なことが起きています。しかし、それらの事件、イベント、出来事は不連続で突発的なことばかりです。ところが金融市場だけは世界中の何処でも平日は確実にオープンしており、それら世の中の動きを株価や為替といった数字に表し、且つ、連続性をもってその動きをみることができるのです。

例えば政治の世界では世論調査が行われます。しかし、あれは調査機関によって数値に大きな差が出るのはご承知の通りです。日本では世界大手の調査機関が世論調査を行わず、報道各社が独自にやるために数字に偏りが生じています。つまり、統計そのもののクオリティが低いのです。

ところが金融市場は巨大で参加者も多く、そんなごまかしは基本的にできません。そこから生まれたデータは少なくとも十分に信用に値するものである、と私は考えています。それ故、一週間をまとめるには最も的確なものなのです。

ぶったまげた「はやぶさ2」の実力

「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」に着陸し偉業を達成したという報に接した瞬間、嬉しくて涙が出そうになりました。地球から3億キロメートルも離れたところに探査機を飛ばし、たった6メートルの狭いスポットに向けて着陸し、貴重な小惑星物質を採取したようです。NASAもそのテクニック、教えてくれ、と言うほどの技術のようです。

JAXAのはやぶさ2ツイッターより:編集部

日本もやるじゃないか、と思うと我々はもっと自信を持ってよいのではないでしょうか?

今回のJAXAの成功の裏にははやぶさの1号機が小惑星「いとかわ」からサンプル採集をしてよれよれになりながらも帰還したあのドラマのようなストーリーが背景にあることは疑う余地がありません。もう不可能、と言われながらも何度もチャレンジするプロセスにおいて問題発生とその解決方法をじっくり学んだことは大きかったでしょう。

目的意識をもって絶対に成功させる、という執念の賜物が成功に導くのでしょう。まだ、次の実験があるようですが、まずはおめでとうございます、と言いたいですね。

トランプ大統領の次のディール

米中貿易協議が終盤に差し掛かってきている中でどうやらトランプ大統領は切り札の「ファーウェイ」を取引に使う可能性が出てきました。トランプ大統領は従来、中国の通信機器会社の締め出しに躍起で、このファーウェイ社に於いては創業者の娘のCFOをカナダで軟禁状態にしています。

Gage Skidmore / flickr:編集部

一方でファーウェイ製品が世界中に浸透していたことも事実で日本ではソフトバンク系列に大きなダメージがあるとされていました。

トランプ大統領の変身ぶりとはいつものツイッターで「米国は進んだ技術を排除するのではなく、競争を通じて勝利したい」と述べたことにあります。中国との貿易協議で最後の一押しをする駒としてファーウェイ社の扱いをより緩和的にする方向にするのかもしれません。トランプ大統領を方向感のない司令塔と称するケースも多いのですが、何かを人質にとり、それを取引のネタにするという姿勢は一貫しているところからトランプ大統領には本意とか信念というよりゲーム好きな「ゲーマー」ではないか、という気がします。

来週は注目の交渉期限3月1日を迎えます。また米朝首脳会談もあります。目が離せそうにありません。

後記

北海道の地震、今回は被害が比較的少ないようでよかったです。が、それよりも鳩山元総理の炭酸ガス地中貯留実験による人災だというツィッターに多くの人は固まってしまったのではないでしょうか?北海道警察はこれをデマ情報と認定しましたが、この方が本当に総理だった時代があったことを信じたくないと思う人は相当多いのではないかと思います。「気違いに刃物」という表現がありますが、「鳩山さんにツィッター」と言いたくなります。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2019年2月23日の記事より転載させていただきました。