債券先物の中心限月の引け値が2月19日から22日にかけて4日連続で152円90銭で引けていた。4日連続というのは記憶になかったため、とりあえずすぐにチェックできる手元のエクセルのデータで確認してみた。
手元のものが1991年1月からであったため、それ以前のものがすぐには検証できず、またすべてのデータは手入力で行っていたため、誤入力の可能性もある。このため、あくまで暫定的なデータということでみてほしいが、チェックしたところ2日連続はかなりあったが、3日連続となると下記の例のみであり、4日連続はなかった。
3日連続は、1991年7月8日から10日の3日間連続で95円10銭、2012年6月6日から8日の3日連続の143円59銭、2014年10月29日から31日の3日連続で146円53銭、2015年11月17日から19日の3日連続の148円54銭、2016年5月27日、30日、31日の3営業日連続での152円03銭、2017年9月1日、4日、5日の3営業日連続での151円22銭、
つまり4日連続の同値引けは債券先物史上で初である可能性が高い。少なくとも値動きがあったにも関わらず4日連続の同値引けはまさに珍事といえよう。
日銀の長短金利操作付き量的・質的緩和政策によって日本の債券市場の流動性が低下していることは確かである。それでも債券先物は一定の出来高は維持し、値動きも多少なりある。だからこそ引け値の同値が続く例が少なかったともいえる。
今回の4日連続の同値引けは、たまたまそうなってしまったといえるが、それだけ相場の膠着感を示したものともいえるかもしれない。欧州や中国を主体とした景気減速懸念で債券は買われているものの、高値警戒感もあり米中通商交渉の進展への期待も上値を抑えているというか様子見姿勢を強めさせている。
編集部より:この記事は、久保田博幸氏のブログ「牛さん熊さんブログ」2019年2月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。