東京都議会議員の川松真一朗(墨田区選出・都議会自民党最年少)です。
一問一答で小池知事の本音が見える!?
来週4日に小池知事への一問一答での審議が決定した東京都議会経済港湾委員会。ここでの焦点は、2017年6月20日に小池知事が示した基本方針「築地は守る、豊洲は活かす」が変更されたのかされていないのか。そして、今回、市場会計という特別会計で所有している築地市場用地を東京都の一般会計に5423億円で有償所管換えする事の正当性が議論の的になっています。
そもそも私が疑問に思っていたのが、これだけの巨費を投入するのに小池知事の出席義務の無い審議となる2018年度の最終補正予算で議会に予算案を出してきた東京都の姿勢です。この補正を決定する翌週には2019年度予算を審議する予算特別委員会がセットされているのにです。
5423億円を補正予算にした理由は・・・
昨日、一昨日の小池知事の本会議答弁を聞いていますと、基本方針は変わっていないとのことです。補正で予算を仕込んだのは「2018年度決算を見ると、余剰金があったという事、予算執行状況から資金確保できる。」という理由からだそうです。私達が審議における知事隠しで不誠実だと批判しているのに、上記の理屈で代表質問、一般質問を乗り越えようとする事については小池知事だけでなく、東京都幹部職員の魂に怒りを覚えるわけです。
18年度決算で余剰金が出たからと言って、そのお金が4月以降に消えるわけではありません。普通であれば、基金という家庭で言うところの基金を積み立てて次に備えるものだと思うのです。
↑この真意は?
東京都の財務担当者は、もし基金残高が増えれば、東京都は金持ちだと他県から批判される材料になりかねないと心情を吐露しました。しかし、理屈は分かりますが、何れにしても築地市場用地は民間に売却して、それを豊洲市場建設の為の借金に充てるという当初の計画を履行しなければ、どのタイミングにせよ5423億円の財政出動には変わりなく、他県からは批判されるのは目に見えています。この金額はある県であれば、県の総予算を超え、また他であれば全人件費に当たると言います。
小池知事の味方はどこにいるのか
先週の都議会混乱の幕開けは、与党である都民ファーストの会内部の足並みの乱れから始まりましたが、これからは知事をガッチリと守らなければいけない理事者側の論理も承知の通り入口を強引に設定した結果、また混乱をきたす可能性を有しています。今度はさらっと最終予算を通せるだろうと目論んでいた知事に近い方々の忖度がまたもや裏目に出そうな展開であります。
私は終始一貫して小池知事誕生以来、小池知事が都議会自民党の意見に耳を傾けて現実路線を選択すれば都政は混乱しないと言い続けてきました。2年前の6月に文教委員会で一問一答を行った際も「我々自民党とお話をもっとしてくだされば、もっと早く教えることができたんです。だから、知事の周りにいる人たちは、本当に知事の仲間かどうかというのをここで判断していきましょうよ。誰が一緒にオリンピックを成功させようとしているのか。」とストレートにお伝えしています。この時は都政改革本部にいた顧問団が都政をグチャグチャにしていました。
基本方針を築地残留派はどう捉えていたのか
この2週間後に出されたのが市場問題についての基本方針です。私達は市場移転派も、築地残留派も両方を手のひらに乗せて都議選に臨む手法だと訴えてきたのですが、今あらためて都議選における都民ファーストの会の公約を見ると「築地ブランドを守る」になっていました。つまり、築地残留派が描いていた「築地市場を残すor戻れる」ではなかったのです。今週の本会議答弁で、小池知事があまりにも堂々と喋るものですから気になっていました。これだと小池知事は市場移転について何も変わっていないと言い張るのも無理はないかもしれません。
↑基本方針発表直、都議選前夜の収録
ここに、重大な証言があります。それは、都議選当時、都民ファーストの会幹事長だった音喜多都議ははっきりと「築地市場を残す」と言う認識で公約だった旨を話されています。来週4日の委員会はどんな内容になっていくのでしょうか。本件には、元の都政改革本部の顧問だった人物が色々と政策ブレーンとして動いてきた形跡があります。過去の発言や発信をおさらいして、準備を進めたいと思います。私は当該委員ではありませんが。
編集部より:このブログは東京都議会議員、川松真一朗氏(自民党、墨田区選出)の公式ブログ 2019年2月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、川松真一朗の「日に日に新たに!!」をご覧ください。