昨日の横浜は雨でした。
都内に電車で向かう為に私が駅に向かい歩く道では、傘を差しながら自転車で通勤・通学する人たちがいました。雨のときはその光景を見ていつも、『危ないなぁ』と思います。
それに加えて普段から、スマホの画面を見ながら運転している様子や、耳にイヤホンをつけて音楽を聴きながら運転する自転車も見よく見かけます。
このような危険運転をよく目にしていますが、実際に自転車による事故が増加しています。平成29年の最新データによると、全国での自転車事故は対歩行者で2550件、自転車同士で2749件となっています。これは20年前の平成9年に比べて対歩行者が4倍、自転車同士が4. 3倍と急増している事がわかりました。
当然、事故を起こせば加害者側は賠償責任を負うわけで、その賠償額も大変高額になっています。
例えば平成20年に東京地裁で出た判決は、加害者になった高校生に9266万円の賠償命令、平成25年に神戸地裁で出た判決では、加害者になった小学生に9521万円の賠償命令が出されました。神戸の事件については、賠償金が高額になった事で親が自己破産に追い込まれました。
こうした判決を受け、自治体によっては条例による自転車保険の義務化の動きが広まっています。例えば昨年は埼玉県や京都府、相模原市などが義務化とし、現在では約10の県や市などで義務化されています。来月には仙台市そして私の住む神奈川県でも義務化される事になりました。
自転車は買いに行けば、すぐにでも手に入ります。しかも自転車を運転するのに免許もいりません。ですから、買ったその場からすぐに乗ることができます。そういう意味でも、自転車を買うのはとても気軽です。
ところが、一度事故を起こせば数千万や1億、2億という高額な賠償命令が下るリスクを考えると、やはり保険の必要性は十分に理解できます。
保険料は内容によって様々です。
例えば民間の損保会社では、各社によって差がありますが、概ね年間3000円〜4000円が相場のようです。通販型だと1ヶ月100円台で1億円の保証という商品もあります。
条例で加入が義務づけられた滋賀県では、県の交通安全協会が年1000円で補償額が1億円という商品で、さらに加入者だけでなく家族全員がカバーされるそうです。
また先に紹介した単独保険以外にも、自動車保険や火災保険などのオプションで、いくらかの金額を加算することで、自転車事故を補償する特約もあるようです。
交通事故と聞けば自動車思い出す人も多いと思いますが、自転車も軽車両とりっぱな車両であり、凶器になるわけですよね。相手に怪我をさせたり、また死に至らしめる事になれば、金銭的な保証ができるかできないかだけでなく、刑事罰も受けることになりかねません。そういう意味でも、自転車に乗ることはそれだけ責任が伴っている事を忘れないようにしましょう。
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年3月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。