ゴーン氏の保釈認める:裁判所が機能するようになった証拠

ゴーン氏の保釈が東京地裁で認められたそうだ。

日産サイトより:編集部

起訴されている公訴事実を全面的に否定している状況の中で、第1回公判期日前に被告に保釈を許可するなどという事例はこれまで殆どなかったように思うが、刑事訴訟法の改正で公判前整理手続きが導入され、被告人側にも十分の防御権を行使させるべきという考え方が下級裁判所にも浸透し始めたということかも知れない。

検察官は準抗告するだろうが、準抗告が却下されれば画期的な先例となることは確実だ。

刑事司法改革の成果が、こんなところに具体的に表れてきているようだ。

保釈が認められるのは秋口ぐらいではないかな、と思っていたが、裁判所が権利保釈制度の運用の適正化を志向しているらしいことはいいことである。

これでゴーン氏の無罪判決が近くなった、と喜んでおられる方もあると思うが、保釈が認められたからと言って無罪判決が言い渡されるわけではない。
まだ、ゴーン氏の裁判は始まっていないのだから、裁判の進行をじっと見守っておられる方がいいだろう。

検察当局は、今なおゴーン氏について余罪の捜査を続けているようだから、これから先何が起きるか分からない。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2019年3月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。