「こんにちは!黒坂岳央(くろさかたけを)です。
※Twitterアカウントはこちら→@takeokurosaka
私の会社には飛び込みの営業の他、取引先の担当者の訪問などもあり、日々いろんな方が来社されます。飛び込みの営業の来社が迷惑なのは言うまでもないですが、現在やり取りしている業者の「営業担当者の後任者挨拶」についてもあまり嬉しいものではありません。
来社して挨拶をする意味合い
付き合いのある業者に資材の発注などを依頼する際は、メールやFAX、電話などで出しています。また、仕入れ価格の改定や、終売に伴う新商品の提案なども、原則オンラインでお願いをするようにしています。
ですので、営業担当と言っても、普段は顔をあわせることはほぼありません。あるとすれば、「新しく御社の営業担当になりました」という挨拶のときと、「退職となります。こちらが新しい御社の担当者です」というお別れの挨拶の時に限ります。資材を納品する際は配送業者が持ってきてくれるので、営業担当とやり取りをすることはありません。
「はじめましてのご挨拶」と、「さようならのご挨拶」だけをする相手なのに、わざわざ来社する必要はあるのでしょうか?おそらく、過去からずっと続いてきた慣習が残っているだけなのだと思われます。
「対面しにわざわざ出向く」は「丁寧ではなく迷惑」
東京ではビジネス取引のオンライン化が進んでおり、会社員で働いている時も、対面で会ったことが一度もなく、電話もやり取りをしたことがない社員や取引先がほとんどでした。起業した後も東京の取引先(メディア会社や出版社、講演のクライアントなど)とは直接会うこともなく、電話もしません。オンラインのテキストメッセージでのやり取りだけです。
これは文化の違いなのかもしれませんが、地方ではまだまだ「対面=丁寧」という価値観が残っているのかもしれません。私は熊本県という地方に住んでビジネスをしていますが、EメールやChatWorkといったテキストメッセージを送っても、返事は電話で返ってきたり、「ぜひ、一度そちらにお伺いします」と言われて、困ってしまうことが多いです。
あまりにも熱心な相手に根負けして、過去に来社してもらったこともありますが、オンラインでやり取りするより時間ばかりかかってしまい、極めて非効率に感じてしまいました。
私のような「ビジネスコミュニケーションは出来る限りオンラインで」というスタイルは、地方では異端なのかもしれません。しかし、対面でわざわざ来社されてしまうと、ありがたいというより、どうしても迷惑に感じてしまうのです。
「来社して対面」は双方が望んでいる時だけ
私は「来社して対面挨拶」のすべてがダメだとは思いません。来社される側も、「顔を見せないなんて失礼だ!」「わざわざ来社してくれるなんてありがたい」という価値観を持った相手であれば、来社することで信用を得ることが出来るでしょう。つまり、来社される側、する側の双方が望んでいる場合に限り成立しうるスタイルだと思うのです。
そしてアポなしでの来社は、今の効率化を求められる時代においては、最大の経営資源である時間を奪う「経済的犯罪」になり得るということを認識した方が良いと思うのです。「たまたま近くを通ったのでご挨拶だけでも」と言われても、「迷惑なので帰ってください」とは面と向かっては言えないものです。
「こちらが挨拶をしたいから」「来社すれば誠意が伝わるだろう」は独りよがりで、信用を得るどころか相手によっては逆に迷惑がられてしまうだけなのです。
ネットであらゆるビジネスで済む時間効率が何より重視される現在、アポなし来社での訪問という行為を見直しのタイミングではないでしょうか。
黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表
■無料で不定期配信している「黒坂岳央の公式メールマガジン」。ためになる情報や、読者限定企画、イベントのご案内、非公開動画や音声も配信します。