2050年に難聴障害は9億人の試算。若者難聴に注意せよ

電車の中で、ヘッドホンの中から、シャカシャカシャカシャカと音が漏れ聞こえてくる場面に、一度や二度ならず出会ったことありませんか。
あの状況、はっきり言って私はやっぱり不快に感じます。

電車以外でも、両耳にイヤホンをさして街を歩いてる人もよく見かけますよね。これも、私は毎回、危ないなぁと思うんです。背後からバイクや車が差し迫っても気づかない。そう考えると、車を運転していてそういう場面に出会うと、「こちらの車に気付いてくれるかな?」と思ってしまいますし、夜道をそそうやって歩いてる女性を見ると、「大丈夫かな?」って思ってしまいます。男性だってひったくりに狙われること有り得ると思うので、ヘッドホンやイヤホン姿を私はそのように心配してきました。

さて実は今、急性音響性難聴(ヘッドホン難聴・イヤホン難聴)を懸念する声があります。

要するに、大きな音を聞きすぎた結果、耳が聞こえなくなってしまうということです。原理としては耳の奥に有毛細胞があり、その先端にある聴毛が音の振動を電気信号に変え脳に伝達していくらしいんです。私も経験がありますが大きな音を聞いた時、振動ありますよね。この振動が長時間続くことにより聴毛が抜け落ちたり、傷ついたりすることで聞こえなくなってしまうという症状です。

この聴毛は一度気づついたり失ってしまうと再生されることがないので、WHOが『一度失った聴力は戻らない』と警鐘を鳴らしています。目の場合は手術をして良くなったケースがありますが、耳の場合は違うようです。

耳を正常に保つ国際基準があるそうです。それは、大人なら80デシベル、子供なら75デシベルで週に40時間までに制限することですが、日本耳鼻咽喉科学会では、ヘッドホンをしたままでも会話が聞き取れるくらいの音量で、ほぼリスクがないと言われる65dB程度を推奨しています。週に40時間なら、ヘッドホンで音楽を聞いたとしても十分な時間だと私は思いますし、ヘッドホンやイヤホンの最大出力は100〜120デシベルになっているそうなので、だいたい60〜80%程度の出力で、出来るだけ下げるのが望ましいと思います。

先ほど指摘した、ヘッドフォン難聴やイヤホン難聴の人はやはり増えているようです。今、世界には難聴障害の人が約4億7000万人と言われていますが、このままの勢いで行くと2050年には9億人に達するとWHOは試算をしていて、ぜひこのブログをきっかけに気をつけていただきたいと思います。

ちなみに私は子供の頃からよく地獄耳といわれてきました。遠くの音に気付いたり、ちょっとした物音に気付いたり、聞いてないようで人の会話が耳に入っていたり。こういうシチュエーションの時に地獄耳と言われてきました。

でも本当は、地獄耳というのはそういうことではないそうです。人の噂話や秘密をいち早く仕入れたり、一度聞いたことをずっと忘れずに覚えているような人を地獄耳って言うそうです。これが本当ならば私は当てはまりませんね。もう人の噂話が入ってくるのは遅いし、一度聞いたことはすぐ忘れます。

全然当てはまらない私は、天国のような耳です。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年3月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。