執筆者選定で「左傾化」がしばしば指摘されるYahoo!ニュース個人だが、2日朝にアップされた『新元号「令和」 欧米メディアは「日本の右傾化」を懸念』と題した記事がネット上で批判を浴びている。
【令和 欧米メディア右傾化懸念】https://t.co/vE8RLNIvCn
新元号が「令和」に決まった。欧米メディアの中からは、新元号の決め方やその意味について「日本の右傾化」や「国粋主義的傾向」を懸念する声も上がっている。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) 2019年4月1日
この記事は在米ジャーナリストの飯塚真紀子氏が投稿したもので、各外電の要旨を紹介。「国家の威信の増強を狙う安倍首相の保守的アジェンダを映し出している」(英デイリーテリグラフ)、「新しい元号は、日本の政治の右傾化を映し出している」(米CNN)などと並び立て、「欧米メディア」による日本の右傾化警戒の論調だと強調した。
しかし、ひとくちに「欧米メディア」と言っても、論調はそれぞれのメディアで異なる。トランプ大統領とことごとく対立してきたCNNはリベラルメディアの代表格として知られるが、ロイター研究所のレポートでも左寄りの志向を持つ人がCNNを見ている傾向が報告されている。
飯塚氏は記事の終盤で「令和」について
令を「秩序」、和を「調和」と解釈するなら、秩序も調和も、日本が昔から変わらずに重視し、世界からも評価されてきた日本人が誇るべき価値観だ。そこに、新しさや次世代感はあまり感じられない。
などと酷評し、安倍政権に批判的な姿勢をにじませた。
飯塚氏は原発事故の翌年、福島の放射能リスクを強調する英科学者へのインタビューをまとめた『封印された「放射能」の恐怖 フクシマ事故で何人がガンになるのか』(講談社)を訳者として出版。また、2年前から執筆陣入りしたヤフー個人では、民主党左派を持ち上げ、トランプ氏に批判的な視点で書いた投稿が目立つ。
そうした飯塚氏の記事だけに、今回の記事では、ネットでは右派系のアカウントやネット民から辛辣な反応を呼んだ。飯塚氏の記事は、コメント欄は開放されていないものの、Yahoo!ニュースのツイッターには、
これは酷いな笑
何が酷いって欧米メディアというより、わざわざこれを引っ張ってきて記事書いてるアベガー記者と、それを載せるYahoo!ニュースな。
どこかと思えばテレグラフやCNNの批判前提のいつも通りの決め打ち記事ですね
上記を取り上げて『欧米メディアが云々』というのは明らかなミスリードです
欧米や他の主要メディアは大多数が『無関心』です
偏ったメディアだけ集められても。笑
書き手の意図がばれちゃうだけ。
などと、早くも「魂胆」を見抜くようなコメントが続出した。
一方、有識者では、石平太郎氏が「「令和」の2文字からどうやって「右傾化」を読み取ることができるのか」と呆れ気味にツイート。
「令和」の2文字からどうやって「右傾化」を読み取ることができるのか。 自国の古典から元号の言葉を取るのはすなわち「右傾化」なのか、こうした欧米のメデイアはただのアホだ!https://t.co/3QIe6NKlAo
— 石平太郎 (@liyonyon) 2019年4月2日
また、「海外では…」というように外国の反応をそのまま流す姿勢を「出羽守」と揶揄することがあるが、早速「出羽守」に認定され、まとめサイトも作成されていた。
出羽守が哀れなのは「アメリカでは」「中国では」「ヨーロッパでは」と日本をコキ下ろすほど、当の本人は現地で活躍してないこと。東京から帰省した田舎出身者が、自慢げに「東京じゃこうだぜ」と自慢するアレである。東京に馴染めてないから田舎で都会人ぶるしかない。https://t.co/MSk8CBOHH7
— 菊池雅志 (@MasashiKikuchi) 2019年4月2日