選挙あるある③「私がやりました」の3類型

写真AC:編集部

こんにちは、東京都議会議員(町田市選出)のおくざわ高広です。

新元号「令和」のスタートを占う平成最後の統一地方選挙に向けて、選挙あるある第三弾をお送りしたいと思います。

まず、私の選挙感を述べますと、

選挙は実績(過去)を問うのものではなく、ビジョンと計画(未来)を問うもの

であると考えています。

実績は、候補者の人隣や政治的関心分野、実行力、つまり、政治家としての信頼度を図る尺度として、とても重要なものですが、だからこそ、その実績に誇大広告的な部分があるのはあかんやろと言いたいわけです…。そこで、今回は「私がやりました」の見分け方について述べていこうと思います。まず、統一地方選前半戦も真っ只中、投票先を選ぶ一助にしてもらえればなと思うところです。

本当に私がやりました系

政党や候補者の多くは、強いこだわりや信念を持って長年取り組んできた政策があります。私が昨年所属していた総務委員会関係ですと、自民党さんの商店街防犯カメラ設置、公明党さんの女性目線の防災などがそれにあたります。また、先日ツイッターでも取り上げました塾代支援事業について、詳しく調べていくと、既に引退された公明党都議の肝入りだったことが分かりました。某都議の発言を鵜呑みにし、誤った情報を流してしまい、申し訳ありませんでした。

※こうした成果の奪い合い状態について、個人的には理解しかねるものであり、 本投稿をするに至りました。

これらは、課題を取り上げはじめた当初は塩答弁(決して前向きではない答弁)だとしても、質疑や担当課との意見交換を重ね、数ヶ月〜数年をかけて政策実現したものです。各党にとっては、1つの聖域とも言える部分であり、私が議会で取り上げる際には、これまで熱心に取り組んでこられた〇〇党さんに敬意を表しつつ、私からも意見申し上げます。などの注釈を入れてから発言するように心がけています。都議会ベンチャーの都民ファーストの会にも、受動喫煙防止対策などの聖域ができつつあるのは素晴らしいことだなと率直に思うところです。

私が後押ししました系

このパターンは非常に多いのですが、議員が政策実現するにはいくつものハードルがあり、4年間で実現できることはせいぜい片手で数えられる程度しかありません。しかし、自分が主体的に取り組まなくとも、他の人が取り組んでいることに賛成することで後押しすることはできます。例えば、昨年可決したオリパラ人権条例について、私は賛成の立場から質疑を重ねており、自信をもって後押ししたと言えるものです。

どんな政策でも利害相反であることが多い中、賛成票(反対票)を投じる責任は重く、一つ一つの決断は評価されるべきものです。一方で、それを私がやりましたと言えるのかといえば、それは違うかなと言うのが私の考えです。正確には、私も後押ししました、ですね。

私が横取りしました系

このパターンに騙されないように気をつけてほしいとの思いが強いですが、これまで議会でもまったく取り上げていないのに、社会の関心が高まるやいなや、急に私が進めてきましたと主張する方が散見されます。

先般、児童虐待防止条例が可決しましたが、これは誰か1人の成果ではなく、これまで多くの方が取り上げてきて、条例として帰結したものです。また、被害者支援条例の制定を目指す旨の知事答弁がありましたが、これは過去に民主党が制定を目指し頓挫したものです。こうした先駆者や先人へのリスペクトを忘れてはならないと強く思う次第ですが、残念ながら、私の成果だと声高に主張される方がおり、哀しくなります。

というわけで、私がやりましたの3類型を書いてきましたが、どう見分ければいいかといえば、それは議会の議事録に全て書いてあります。今はほとんどの議会ホームページから議事録を検索できるので、あなたの興味関心のあるワードを検索すれば、いつ、誰が(どの政党が)、議会で取り上げてきたのか分かります。また、かなりマニアックですが、現職の場合は前回の公報と見比べるという方法もよろしいかと思います。

今回の統一地方選挙から政策ビラの配布が解禁されます。だからこそ、有権者の皆さんには候補者の本質を見抜く方法を知っておいてほしいなと思う次第です。

ところで、ツイッターを見ていたらこんな投稿を見かけました。

選挙芸人??? 山本期日前さんには負けてられない、、、

最後に選挙で役立つサイトをいくつかご紹介。

候補者比較ならこれで決まりですかね。
選挙ドットコム統一地方選挙特設ページ

こうした取組が当たり前になるといいな。
マニフェストスイッチ

昨年の町田市議選でインパクト大でした。
議会マイニング


編集部より:この記事は、東京都議会議員、奥澤高広氏(町田市選出、無所属・東京みらい)のブログ2019年4月3日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおくざわ高広 公式ブログ『「聴く」から始まる「東京大改革」』をご覧ください。