3月の大リーグ日本開幕戦で引退したイチローさん(本名・鈴木一朗)が、政府からの国民栄誉賞を辞退したことが5日明らかになった。毎日新聞が政府関係者の話として同日朝刊で特報した。
イチローさん、国民栄誉賞3度目の辞退 政府に伝える – 毎日新聞
イチローさんは小泉政権時代にも2度打診を受けているが、現役中だったことを理由に断っている。受賞すれば「令和」時代最初となるはずだったが、ネット上は「イチローらしい」と好意的に受け止める声があるものの、安倍政権に批判的・敵対的なアカウントを中心に「政権の支持率アップに利用されなくて良かった!」「夏の参議院選挙へ有利にしようとする自民党にとっては残念だったでしょうね」などと政権批判に絡めて喜ぶ意見が目立った。
拉致被害者の家族で、近年は安倍首相と袂を分かち政権批判を繰り返している蓮池透氏は、『「その手には乗らない」だったら、偉い。』と投稿。
「その手には乗らない」だったら、偉い。
イチローさん、国民栄誉賞3度目の辞退 政府に伝える(毎日新聞) – Yahoo!ニュース https://t.co/9M0d6AOBXP @YahooNewsTopics
— 蓮池透 (@1955Toru) 2019年4月4日
また、国民栄誉賞廃止論者だという舛添要一・前東京都知事は「権力が利用したがる国民栄誉賞などなくても、イチローは世界のスーパースターである」と、指摘した。
イチローが国民栄誉賞を辞退。正解だと思う。私は、もうこの賞は廃止したほうがよいという持論である。理由は、このiRONNAに寄稿した私の意見を読んでほしい。権力が利用したがる国民栄誉賞などなくても、イチローは世界のスーパースターである。https://t.co/gUZ9H4xb3q
— 舛添要一 (@MasuzoeYoichi) 2019年4月5日
ほかにも、安倍首相嫌いとみられるアカウントからは
めっちゃ痛快。この姿勢が唯一の日本の希望だと思う。忖度の通用しない世界で個として勝負できる日本人が出てこない限り日本は衰退し続ける。
さすがイチロー!まっとうな判断! 安倍に政治利用されなくて良かった!良かった! 安倍じゃないときに、国民栄誉賞もらってください!
などと狂喜乱舞する声が続出。
他方、こうした意見に対しては、
2001年から辞退してるのに「アベ政権に反発してるんだ!」とか言ってる人達はイチローに失礼。それが彼のスタンスであって政権云々は全く関係ない。何でもかんでも政権批判に利用する事しか考えられないのか。
つい先日まで「イチローは韓国を侮辱したから嫌い~」とかほざいてた左翼系の方々が、国民栄誉賞を辞退しただけで安倍叩きの棍棒としてイチローを誉めてる図が醜悪過ぎて溜息が出る。
などと、呆れる声が相次いだ。
そして、肝心の辞退理由について、毎日新聞の特報段階では明らかになっていなかったが、菅官房長官は5日午前の定例記者会見で、イチロー選手から代理人を通じ「人生の幕をおろした時に頂けるよう励みます」とのコメントをもらっていたことを明らかにした。
【野球人生は続く】毎日新聞の『イチローさん、国民栄誉賞3度目の辞退 政府に伝える』報道について、菅義偉官房長官「イチロー選手の代理人を通じて国民栄誉賞について伺ったところ『人生の幕をおろした時に頂けるよう励みます』とのことであった。ご本人のお気持ちを尊重し今回は見送ることとした」 pic.twitter.com/uWe1d6Sbka
— Mi2 (@YES777777777) 2019年4月5日
なお、野球界では国民栄誉賞を過去にも辞退した先例はあり、「世界の盗塁王」として名を馳せた福本豊さんが「立ちションベンもできんようになるがな」と述べた辞退理由は有名だ。だが、その言葉の奥にはこんな心境があったと、後年メディアの取材に激白している。
「王さんが世界記録を作ったことで創設されたのが第1号。ボクも世界記録やからということでしたが、ボクには王さんのように野球人の手本になれる自信がなかった。野球で記録を作るだけでなく、広く国民に敬愛されるような人物でないといけないという、当時のボクなりの解釈があったんです」
(出典:『福本豊氏が国民栄誉賞辞退の理由「立ちションベン」ではない』(週刊ポスト 2013年4月19日号)