今週のつぶやき…市場堅調・忖度辞任・マネーまみれ

「令和」のニュースが駆け巡った一週間でした。いや、正直、よくこれだけニュースのネタがあるものだと思ったのですが個人的には月曜日発表の際の生放送を見た以外、他はスルーしています。私は元号とは「名前」であってそれがどんな名前であろうと「いい名前ですね」と素直に受け止めるべきと思っています。それよりも4月はお祭りムードなんです。そちらの方をもっと盛り立てたいです。

では今週のつぶやきです。

市場は堅調、目先は晴れ

個人的な感覚論を先に述べると市場のムードは2週間前からかなり好転しました。アメリカも中国も日本も株価は今しばし、堅調になると思います。理由は霧が晴れつつあるから。

まず、2週間ほど前に懸念された逆イールド(長短金利逆転現象)はすぐに解消され、その経済悪化懸念が吹き飛びました。米中貿易協定は行けそうな気配です。本日発表されたアメリカの3月雇用統計は2月のショックから立ち直り、市場予想を上回って着地。NY市場の原油価格も60ドルを上回って安定していることはプラスです。

そして日本独特のテーマとしては4月は新年度入りで機関投資家の動きも活発になり、5月からの新しい時代の幕開けに向けてムードが高まります。4月下旬にかけ、堅調さを保つとみています。10連休をどう見るか、ですが、リスクと取る半面、買わないリスクも生じるわけで4月半ばごろの世界情勢を見据えて直前で判断するしかないようです。(為替は別です。)

当然の忖度辞任

塚田一郎国土交通副大臣が辞表を提出しました。「北九州市での集会で、同市と山口県下関市を結ぶ下関北九州道路の整備について首相と麻生氏の地元だと言及したうえで『国直轄の調査に引き上げた。私が忖度した』と発言」(日経)したためです。

このニュースに接した時、この方は頭がおかしいのではないか、と思いました。集会での受け狙いだったのか、その発言の際、ちらほらと笑い声も聞こえるのですが、そうだとすれば資質の問題を問われるのは当然です。そのあとの国会で安倍総理が野党の質問を前に苦渋の顔がテレビに映し出されたのですが、あれは相当怒っていました。ふざけるんじゃない、と。総理にとって「忖度」という言葉をどれだけ忌み嫌うか、塚田さんはご存じないのでしょうか?鈍感そのものです。

答弁では一応、かばったものの選挙を前に「兜の緒を締める」だったと思います。私も総理は彼を首にすべきだと心の中で訴えていました。役人と政治家は皆が優秀ではありません。表面だけ繕い、中身はボロボロの方などいくらでもいます。靴が汚れるからおぶれ、という役人もいました。少なくとも政治家は国民や市民が選ぶわけですからどういう人を選ぶのか、短い口先の選挙戦だけで判断するのではなく、候補者の完全ディスクロージャーを求めたいと思います。

ゴーン氏とかけて潮田氏と解く、その心は…

カルロス ゴーン氏が4度目の逮捕となりました。今回はかなり厳しいところをついており、弘中弁護士と言えども連戦連勝とはいかないでしょう。この逮捕の背景にあった資金の流れを見て思ったことはゴーン氏は大会社をバックにして自分の懐を温め、欲と野望の塊だったと改めて感じました。

NHKニュースより:編集部

奥さんが代表を務めるビューティー ヨットとか長男が代表のショウグン インベストメンツがあったとなればもう、家族全て巻き込んでマネーまみれの人生設計だったことになります。日産とルノーはお客様に運転してもらう車ではなく、ゴーン氏に乗っ取られる車を作っていた、ということになります。

一方のLIXILの潮田洋一郎氏。前社長の瀬戸欣哉氏を嘘の報告で追い落とし、自分がトップに返り咲く仕業に海外を中心とする株主からワンワンと吠えられています。当の瀬戸氏も反旗を翻し新展開入りしたのは週刊誌ネタ以上に面白い話です。この潮田氏、実はシンガポール在住。

なぜ金持ちはシンガポールを選ぶのか、といえば9割の確率で資産の逃避であります。では日本から見てシンガポールが住みやすいか、といえば否。時差こそ1時間ですが、日本からは遠いのです。物価は異様な高さでクルマなんて買えません。暑いし、そこにいる日本人も駐在員は別にしてマネーを背景にした特別な立場の方も多く、ゴルフと高級ワインでひそひそ話をするイメージです。そんな潮田氏がどうやって日本の上場会社を運営できるのでしょうか?

ゴーン氏とかけて潮田氏と解く、その心はマネーマネーマネー、です。

後記

今日は東京への移動日。私も日本の桜を満喫したいところです。ここバンクーバーも桜が本当に多いうえに種類も多く寒いせいか開花期間も長めです。今、そんな当地の桜は今が満開。私が住むコンドの窓の下にある十本ほどある桜がピンクの傘を広げたように大きくなり、他の花とともに乱舞です。春を感じます。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2019年4月6日の記事より転載させていただきました。