「無料」って言葉に騙されないで!それ税金で払っているだけだから。

兵庫県三田(さんだ)市が医療費助成の縮小に向けて取り組んでいます。国を挙げて子育て支援に取り組んでいる中で、三田市も従来は小児医療費の無料化を拡大していました。これまでは世帯の収入に関係なく0歳~中学3年生までの外来や入院にかかる医療費の窓口での自己負担額はゼロでしたが、昨年7月から小中学生の外来を一部有料化し、市民税が非課税であるなどの低所得世帯を除き、1医療機関あたり1日最大400円、自己負担は月2日分までで、それ以上通った場合は引き続き無料です。ただし、市民税非課税世帯は引き続き月2日分も無料になります。この制度変更により、小・中学生9200人のうち96%が先ほどの有料化対象になりました。

こうした小児医療の助成施策は各自治体によって、それぞれに違いがあります。
例えば年齢で言うと、「5歳(未就学児)まで」「15歳の年度末(中学生)まで」「18歳の年度末(高校生)」までというように違いがあります。また、無料や一部有料など助成の幅にも違いがあります。違いはあれど、今や全国で6割を超え超える自治体が小児医療無料化の施策を行なっています。

そもそも、健康保険を使った医療費は、3割が自己負担です。すなわち、我々が受診後の窓口で900円を請求された場合、医療費は3000円です。

だから小児医療費無料といっても、無料になっているのは誰かがその費用を負担しているわけです。それは誰かと言ったら、それぞれの自治体が税金から負担をしているわけです。

ではなぜ三田市が無料化の波から逆行して有料化に踏み切ったのかといえば、財政状況が厳しいからです。

ただ財政問題だけでなくもう一つ重要な問題があります。

それはモラルハザードです。
例えば以前は風邪薬で治してた軽微な症状も、湿布薬で治してた突き指や捻挫も、単なるニキビでも病院へ行く。要するに些細なことでも病院に行ってしまう行為です。

そういえば風邪薬の子供用っていうコマーシャル、最近見なくなりましたね。

さて三田市は有料化にしてどうなったのか。
昨年7月から12月を前年同月期で比べたところ、助成金は1億8916万円減りました。

率直に言って結果は、モラルハザードが減ったと思います。

私は窓口負担をするべきだと思います。子育て支援は多方面に渡って色々とやっていかなければいけないと思います。モラルハザードになる仕組みも同時に見直す必要があると思います。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年4月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。