今週のつぶやき:平成は企業も投資家も萎えていた

こんな言葉、あるのかね、と思わせたのが「上級国民」。池袋の暴走事件の「犯人さん」は上級国民だから逮捕されないという奇妙な論調が世を駆け巡り、逮捕要件にはいろいろある、と説明する警察との温度差がありました。官庁勤めで民間企業でも副社長になり、勲章ももらったから「偉い!」と思っているのは外から見ている人の忖度。かつて「下流の宴」とか「下流社会」といった本が売れたことがありますが、上下差を嫉妬するような気持ちの表れが総中流だった日本の社会の新たな特徴であります。あぁ、嫌だ、いやだ!

では今週のつぶやきをお送りします。

平成相場の大納会

終わってみれば7950円(26%)安、これは昭和比であります。当時から株をやっている人にとってはエベレストのようにそびえる38915円をなぜ超えられないのか、と問答し続けてきました。私は40年以上相場を見続けていますが平成は企業も投資家も萎えていた、の一言であります。

株はばくちと同じで「やっちゃいけません!」とお母様に叱られているような逃げ腰の投資家と成長を忘れた企業ばかりで何をどうしろというのか、という印象は強かったと思います。

令和の初日の相場つきがどうなるか、さぁ、これから10日間、何があるか次第ですが、私は特段ネガティブな材料が出ない限り数百円から500円ぐらい上昇するご祝儀相場があるかもしれないとみています。企業決算は決して褒められた状態にはありませんが、日本人はあまりにもネガティブでコンサバティブに物事を捉えすぎる傾向があります。ケセラセラ(なるようになるさ)ぐらいの感じも時には必要です。10日間の休みだって欧米の投資家達はそれぐらいの夏休みやクリスマス休暇は毎度、取得しています。大丈夫です。

出そろったアメリカ民主党の大統領候補者たち

ほぼ出そろった候補者は現在20名。最後の大物と言われたジョーバイデン氏に注目が集まりますが、彼、76歳です。若いマインドを持つアメリカでこの年齢では支持層が偏るでしょう。結局、アメリカの民主党とはマイノリティの集まりと化してきており、個々好きなことを主張するバラバラの組織との印象を強めました。

バイデン氏Facebookより:編集部

この20名は本格的大統領選になるまでに5名程度に絞られるでしょう。そのプロセスにおいて民主党支持者に妥協が生まれます。本当はA候補がよかったけど辞退したからB候補、あぁ、この人も辞退か、じゃあC候補…、となり、民主党を支持しているのは共和党が嫌だから、というごく単純な理由だけがその背景になってしまいそうです。ここが民主党の最大の弱点。つまり、統一感あるポリシーがなくなるのです。

オバマさんが好むG20のような「みんなで仲良くしましょう」というスタイルは聞こえはよいのですが、結局何も決められない組織を生み出しました。日本でもそうでしょう、野党は批判は上手ですが何も生み出せないのです。今回日本の野党のどっかの党が合併したそうですが、ヤジの声の大きさ以上の効果はないと思います。

ゲームはクラウドで

私はゲームをしませんのでご批判はあるかもしれませんが、「ゲームはクラウドで」の時代は確実に来るとみています。グーグルがこれを発表した時、いろいろな反応がありました。任天堂やソニーなど従来型ゲーム機の経営へのインパクトが強い企業ほど「コアなファンが支える!」という意見は強かったと思います。

2019年後半にサービス開始が計画されているグーグルの登録制クラウドゲームサービス「Stadia(ステイディア)」(Wikipediaより:編集部)

グーグルが今、クラウドでゲームに参入する理由は5Gという環境を背景にしています。これにより早い動きや臨場感などが再現できるめどが立ったのです。多分ですが、3年ぐらいで明白にその優勝劣敗は出ます。私はビジネスのライフはより短くなってきている、と申し上げてきました。

ゲーム機器だっていつまでも同じスタイルが続くわけがないのです。経営側もそんなことは重々承知のはず。ソニーは営業利益の3分の1をゲーム部門が稼ぎ出します。その影響力を考えればグーグルには負けられず、次世代型ゲーム開発へ挑戦し、更なる費用を投じるようです。こうなるとゲーム内のバトルではなく、ゲーム会社の本当のバトルがこれから始まることになりそうです。

後記

いよいよ始まった10連休。使いたくないお金が羽をはやして出ていくと思う人、どこに行っても人、ひと、ヒトで辟易と感じる人、休みは書き入れ時で忙しいばかりとうれしい悲鳴を上げる人など様々な人間模様もありそうです。10日というまとまった日をゲットするなら10日間でやり遂げるプロジェクトもアリでしょう。ペンキ塗りとか全集を読むとか、東京なら9大庭園に全部行くといった達成感を感じるものにぜひともチャレンジしてみたらいかがでしょうか?

素敵な休暇をお迎えください。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2019年4月27日の記事より転載させていただきました。