MMTと異次元緩和は同じものか?
今米国民主党左派の若者たちに大人気なのが「自国通貨建てで借金しているのならば、インフレが加速しないかぎり、いくら借金を増やしても大丈夫」というMMT理論だ。このMMTと異次元緩和とは同じものなのか否か?今度の木曜日の参議院財政金融委員会で黒田総裁に聞いてみる。私は当然同じだと思っている。
もし同じなら、サマーズ元財務長官は私の主張の米国での代弁者。サマーズ氏いわく「幾つもの途上国が経験してきたようにそうした手法はハイパーインフレを引き起こす。インフレ税を通じた歳入増には限界が あり、それを超えるとハイパーインフレが発生する」
MMTを提唱するのはケルトン教授ただ一人。一方、大ブーイングしているのは(財務省参考資料によると)、アラン・グリーンスパン(元FRB議長)、ローレンス・サマーズ(元米財務長官)、ラリー・フィンク(米資産運用会社ブラックロック、CEO) ケネス・ロゴフ(ハーバード大学、経済学者) 、オリヴィエ・ブランシャール(元IMFチーフエコノミスト)、ピーター・プラート(ECBチーフエコノミスト)、ウォーレン・バフェット(バークシャー・ハサウェイCEO) ジャネット・イエレン(前FRB議長)、フランソワ・ビルロワドガロー(フランス銀行(中銀)総裁) 、ギータ・ゴピナート(IMFチーフエコノミスト) 、クリスティーヌ・ラガルド(IMF専務理事)他
MMTを提唱するのはケルトン教授ただ一人。シカゴ大学のアンケート調査 によると米有名大学の経済学者38名は、全員がMMTに対し、「反対」ないし「強く反対」を表明だそうだ。
ジェフリー・ガンドラック(ダブルライン・キャピタル CEO)は、「(MMTは)大規模な社会主義的プログラムを正当化するために利用されている完全なナンセンス。(中略)。 小学1年生には正しく聞こえるかもしれないが」と手厳しい。
編集部より:この記事は、経済評論家、参議院議員の藤巻健史氏(比例、日本維新の会)のFacebook 2019年5月4日の記事をアゴラ用に加筆、掲載いただきました。藤巻氏に心より御礼申し上げます。