流れは教育の無償化だろうと思うが、限りある財源をどこにどう使うか、ということは時の政府なり国会が決めた方がいいと思うので、私は、憲法に書き込んで政権の自由を束縛してしまうことには消極だ。
義務教育の無償化や幼児教育の無償化には双手を上げて賛成だが、高等教育まで無償化することは本当にいいことだろうか。
奨学金制度を拡充することはいいことだが、高等教育の無償化までやってしまうと教育全体の国家管理を推進する結果になるのではないか、と危惧している。
教育を隅から隅まで国家の管理下に置いてしまうような社会は、如何にも全体主義国家を目指しているようで、私は好きになれない。
国家に対する反逆者を育てるような教育になっては困るが、国家に従順な国民を育てるためだけの教育になっても困る。
教育の在り方を真剣に議論する契機になることはいいことだが、教育の無償化が、結局は国民の自立性や自律を損なうような教育への転換点になってしまうのであれば、ちょっと待ったー、と大きな声を上げなければならなくなる。
さて、皆さんは、どのようにお考えか。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2019年5月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。