絶対に和解など出来ない、あり得ない、とまで高言する一文に接した。
チガウダロー、と一言申し上げておく。
経営方針を巡って親子間でも意見の相違や諍いが生じてしまうことは、しばしばある。
委任状争奪戦などという見苦しい戦いになってしまったが、部外者から言わせれば随分愚かしいことだった。
コンサルタントやアドバイザーと言われる方々が十分その役割を果していなかった、ということだろうと思う。従業員を巻き込んでの深刻な争いになってしまったのだから、実に気の毒なことだった。
さすがに創業者の父親の方は独特の発想で新しい会社を立ち上げ、事業を順調に軌道に乗せたようだが、委任状争奪戦で経営権を取得した娘の方は目算違いで資産を食い潰すだけに終わり、肝腎の経営権を事実上他に譲らなければならない状況にまで追い込まれてしまったようだ。
気の毒だが、事業にはこういうことが付き物だ。
上手く行くこともあれば、打つ手打つ手が皆、外れて、お手上げになることもある。
娘が手を上げているのだから、親は自分の出来る範囲で娘を援けるのが筋だろう。
まあ、白旗を上げているわけではないだろうから、過去のことは一切水に流して満腔の笑顔で受け入れる、というわけにはいかないのだろうが、くれぐれも援けを求めている娘の手を振り払うような印象は残さないようにした方がいい。
同族間の経営権を巡る争いが如何に深刻で、人間関係を徹底的に破壊することがままあることを熟知されている方が、ご自分のこれまで見聞してこられたことなどを根拠に、この件では和解はあり得ない、絶対に和解出来ない、などと書いておられたが、私は、あえて異論を申し上げておく。
どんな難しく見える問題でも、人を得られれば、必ず解決する。
大塚家具にも匠大塚にも、それなりに人がいるはずだ。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2019年5月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。