「霊が憑いているよ」と対応に困る指摘をする人たち

こんにちは!黒坂岳央(くろさかたけを)です。
■Twitterアカウントはこちら→@takeokurosaka

なんだか懐かしさを覚えるトピックが、ガールズちゃんねるに立てられました。それは霊がついてると言われたことがある人というタイトルのトピックです。投稿からまたたく間にコメント寄せられ、現時点で350件を超える書き込みがあります。私自身、この「あなたは霊が憑いている」という指摘で、困った体験をしたことがあるので、思わず取り上げたくなってしまいました。

写真AC:編集部

「霊が憑いているよ」の指摘を受けた人たち

先日夫が行ったスナック?で、ママに「あなたに霊がついている。知り合いに頼めば2、3万円で除霊してくれる」と言われたそうです。

いきなり金の話をされて胡散臭く思い、その後も黙っていた夫に対し一方的にダメ出しをしてきたのでさすがに頭にきて言い返したら、それ以上は何も言われなかったようです。

正直そういった話をけっこう信じる私は気になって仕方ありません。でも身近では聞いたことがないしその場にもいなかったので詳しいことはよくわからずモヤモヤしています。

みなさんはそういう経験はありますか?そしてどういう対策をしたか是非教えてくださいm(*_ _)m

引用元:ガールズちゃんねる「霊がついてると言われたことがある人」

という投稿者の書き込みに対して、

言われたことあるでも霊より言ってきた人の方が気持ち悪かった

除霊して貰ったことあるけど、お金払ってません。助けたいけど、商売にしたくないとの事で。その方は、まずお金の話しする人は偽物だって言ってました。

これねー、十人に声かけたら一人くらいは信じて払うらしいよ

という反応で、指摘を受けた人もそこそこいるように見受けられます。今回の記事では、「そもそも霊は存在するのか?」という存在論的証明はテーマにせず、「霊が憑いている」と指摘する人の行動の意味にフォーカスしてお話を進めます。

蛇に取り憑かれた高校生

私が「霊が憑いているよ」と人生で初めて指摘を受けたのは高校の時です。当時、私は中学生の時からほとんど学校へ行かず、ゲームばかりしていました。高校に入学するも、不登校はひたすら続き、留年スレスレでギリギリ卒業しました。

しかし、不登校と言っても100%休み続けるとさすがに卒業は出来ません。卒業出来るだけの出席日数を稼ぐために、最低限は通学していました。私の通っていた学校は工業高校で、専攻は電気科。電気科専攻といっても、電気のことは何も分かりません。「電気は触るとしびれる」、という程度の知識しかない状態です。そんな私がある時、電気の授業が終わったあとに先生に声をかけられました。

「黒坂くん、実は伝えたい事があるので職員室に来てもらえないか?」と。学校をサボってばかりだったので、てっきりこっぴどく叱られるものだと思っていました。が、言うとおり職員室に行くと、先生は私を誰もいない個室に連れて行きました。

そして先生から驚愕の話を告げられます。「君には蛇の霊が憑いている。そのため、学校をサボってしまうのだ」と。当時の私は肌が荒れ気味でよく腕をボリボリと書いていたのですが、「その腕をかきむしる行為は、蛇の霊が腕に噛み付いているためだ。除霊をしよう」といい出します。当時はその話をすっかり鵜呑みにしてしまい、親とともに霊媒師の元に連れて行かれて、気がつけば除霊は終わっていました。ハッキリと覚えていないのですが、おそらく除霊代金を支払ったような記憶があります。

その後、同じ先生に除霊と称して何度も呼ばれた経験があり、その内その先生は他の霊媒師も連れて来るようになりました。徐々に除霊行為が負担になり、「もういい」とお断りするのですが、「先生には君の蛇の霊が見えている。断ろうとするのも、霊の仕業だ。耐えなさい」などと言われて本当に困ってしまいました。

「霊に取り憑かれてるよ」と指摘する人の3つのパターン

霊に取り憑かれていると相手に指摘をする人には、3パターンの目的があると推測します。
※あくまで個人的見解であり、心霊分野のスペシャリストから見ると誤った認識である可能性があります。あらかじめご了承下さい。

1つには除霊代が欲しいパターン。
そしてもう1つは承認欲求を満たすパターン。
最後は本気で霊が憑いていてそれを除霊したいと考えるパターンです。

1つには除霊代が欲しいパターンは、言われる側にはイマイチしっくり来ません。「除霊する側には精神的、肉体的負担があるから謝礼が必要だ」と主張されても、そもそも自分がお願いしたのではありませんから、言われる側からすると体よくたかられているような印象があります。

そして承認欲求を満たすパターンも確実にあると考えます。特に思春期の中学生が通る「中二病」がコレにあたるといえるかもしれません。クラスの一人や二人は、「私は実は霊が見えるの」という心霊少女がいるものです。本当に見えるかどうかは、科学的アプローチを持って検証しなければ断言出来ません。しかし、個人的体験として「実はあれは嘘だった。注目を集めたかった」とおとなになってから真実を吐露されたことがあります。

しかし、霊を信じない人にとって、もっとも厄介なのが3つ目のパターンです。信じない人にとって「霊」と言われても、理解できません。「マイナスイオン効果はエセ科学である」、と思っている人に対して、嬉々としてマイナスイオンを発する家電製品を見せてくる人を目の当たりにした時と同じ心境になることでしょう。それでいて本人は除霊代が欲しいわけでも、承認欲求を満たしたいわけでもない「善意」による指摘と思い込んでいるわけですから、断るにも断りづらくなってしまいます。

笑い話のような除霊ネタですが、過去には福島悪魔払い殺人事件が発生し、6名が死亡する事例もあります。祈祷師を名乗る犯人は死刑を執行されています。思春期に誰もが通る、「霊が憑いているよ」は時に大事件やトラブルにもなり得るものなのです。そこまで行かずとも、人間関係の信用に傷をつける場合もありますから、気軽に「あなたには霊が憑いている」というのではなく、取り扱いには注意を要するテーマであると、思わずにはいられません。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

■無料で不定期配信している「黒坂岳央の公式メールマガジン」。ためになる情報や、読者限定企画、イベントのご案内、非公開動画や音声も配信します。

アバター画像
ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。