丸山発言:国会議員として議員辞職勧告決議案にどう対処するのが適切か

明らかに単なる言葉狩りにはならない事案なので、野党の皆さんが件の衆議院議員に対して議員辞職を促したくなるのは分からないでもないが、さて、議員辞職勧告決議をすることがいいのかどうか。

辞職勧告決議案を提出する立憲民主党の手塚氏(右、同党ツイッターより:編集部)

議員辞職勧告決議には何の法的効力もない、ということだから、決議をしただけでは唯のパフォーマンスになってしまう。国会議員の非違行為に当たるというのであれば、やはり院に対して懲戒を求めるのが筋だろう。

確かに実にけしからない言動ではあるが、だからと言って国会議員としての身分を強制的に取り上げなければならないほどの重大な非違行為であったとまでは言い難い。

本人に何らかのペナルティを与える必要はあることは認めるが、議員としての身分を剥奪しなければならないほどのものか、ということになると、どうも違うように思われてならない。

まして、醜態をさらした本人の言動が何らかの病気によるものだと言うことになれば、ここは慎重に対処した方がいい。

国会議員の失言や暴言の類は、これまで結構耳にしている。

ここで議員辞職勧告決議がなされると、これが国会の先例になってしまう。

さて、皆さん、大丈夫ですか?

仮に議員辞職勧告決議案が国会に上程されたら、私だったら欠席してしまうところだ。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2019年5月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。