タンス預金を防ぐには現金廃止と日銀デジタル!

藤巻 健史

数日前「初歩的な質問失礼します。 金融緩和や為替介入や政策金利引き下げ以外の円安誘導方法としては何があるんですか?」との問いに「一番効くのはマイナス金利政策(今の黒田日銀のとは違います。預金金利、貸出金利ともにマイナスにします。さすがに円預金をしたら年間30%金利を取られればドル預金に変えるでしょう)、日銀の米国債購入、日本国債のドル建て発行、外貨預金の為替益を20%の源泉分離に変える等の税制改革他です」とお答えしました。

そうしたら「外貨や国債なんて買わずに、タンス預金が増えるだけなのでは?」という質問がFBフォロワーのIさんから来ました。

これに対する私の回答です。

画像はイメージです(jyugem/写真AC:編集部)

「私が20数年前にマイナス金利論(今の黒田日銀のとは違います)を主張した時、世間からは『フジマキは頭がおかしくなった』と言われました。預金や貸出金利がマイナス金利になるのは常識的ではなかったからでしょう。

唯一の合理的反論は日銀からの「タンス預金が増えるだけだ」でした。Iさんと同じです。そこでタンス預金防止のために私は現金を廃止し、日銀デジタルにしろと主張しています。日銀デジタルとは全国民が民間銀行ではなく日銀に直接口座を持つ仕組みです。現金がなくなるので、タンス預金ができないのです。こういう仕組みならいくらでもマイナス金利の深堀ができます。

預金をすれば30%取られるのならドル預金(ドル高で景気回復)をしたり、株を買うでしょう。家を建てようと銀行から借金すれば銀行から毎年30%の金利をもらえるのなら、皆喜んで家を建てるでしょう。景気は良くなります。金融政策が機能を回復するのです。日銀が政府の紙幣印刷所から中央銀行に戻れるのです。」


編集部より:この記事は、経済評論家、参議院議員の藤巻健史氏(比例、日本維新の会)のFacebook 2019年5月17日の記事をアゴラ用に加筆・編集したものを掲載しました。藤巻氏に心より御礼申し上げます。