1年生広島市議が、議員を見える化します(下)

こんにちは、広島市議会議員(安佐南区)のむくぎ太一(椋木太一)です。

前回に引き続き、市議会議員を身近に感じていただけるよう、当選して間がなく市民目線に近い新人の椋木が、これまでいただいた質問などをもとに、議員を「見える化」していきたいと思います。

Q5「どうして政治家は『〇〇先生』と呼ばれるの?」「『〇〇先生』と呼ばれることは、どう思う?」

国会議員や県議、市議ら政治家を「〇〇先生」と呼ぶことが多いのは現実です。弁護士や医師、教師など、「先生」と呼称される職業は、多くが公的資格を要するものです。

ところが、政治家の場合、国籍や年齢などを除いて、これといった公的資格は問われません。政治家を「先生」と呼ぶことに違和感を抱く人たちがいるのは、こういったところに起因するものだと思いますし、私も同様です。正直なところ、なぜ「先生」なのかは分かりません。

実際、初対面の方から「椋木先生」と呼ばれることはあります。こちらは、ペーペーの1年生市議ですから何の実績もありませんし、日ごろお会いする方々はたいてい、私より年長者ですので、「先に生まれた」という文字通りの「先生」でもありません。その都度、「椋木さん」と呼んでくださいとお願いしています。このことは、年数を経ても変わらずいるつもりです。

Q6「相談事や話をしたいけど、どうしたらできますか?」「事務所に行くのはちょっと気が引けるのですが・・・」

よほど、その市議・県議と知り合いでなければ、ふらっと事務所に立ち寄るのは勇気がいることだと思います。私も読売新聞記者時代、とある重鎮県議会議員の事務所にお邪魔するのは緊張感が伴うものでした。そのような具合ですから、若い世代はなおのこと、市議や県議は「縁遠い存在」だと思います。

市議、県議ら政治家は決して怖い存在ではありませんし、各自治体のため汗をかきたいと思っている人たちです。私は、有権者の方々は「顧客」と考えています。ですから、政治家の事務所は一般企業の「営業所」や行政の「窓口」ぐらいの感覚でとらえてもらえばいいと思います。

つまり、皆様が暮らしている自治体にまつわる「よろず相談所」とみていただければ幸いです。市民税といった税金を払うのも、こういった「サービス」を受けるためのものでもあるわけですから、利用しない手はありません。

なお、市議や県議は外出していることが多いので、事前に連絡していったほうが会える確率は高まります。

Q7「市議と県議の違いが分かりません…」

当然ですが、根本的に、カウンターパートとなる自治体が異なります。広島県であれば、県議が向き合うのは広島県、市議は広島市ということになります。県道や県立学校、県警など県が扱っている分野は県議が、市が扱っている諸問題は市議が担っていると思ってもらえればいいと思います。

広島市や横浜市、福岡市などの政令市は市議、県議ともに選出区域が各行政区となっているため、違いが見えにくくなるのでしょう。政令市は他の一般市に比べて県から権限が大幅に委譲されていいます。政令市議の守備範囲は非常に広いので、政令市の有権者の皆さんは、まずは市議に投げかけてみればいいと思います。

Q8「市議になるにはどうしたらいいのですか?」

この質問もかなり多くの方からいただきました。根源的な疑問の一つですが、これだ!という答えはないと思います。世襲的に議員になった人、政党の公募等をきっかけに議員になった人、ある組織の代表として議会に送り込まれた人、まったくのゼロから立候補して議員になった人――。挙げればきりがないほど、いろんなケースがあります。地方議員の場合、自分の暮らしている自治体のことを愛し、発展に寄与したいと思うことは、共通した立候補のための「資格」だと思います。

おわり

むくぎ(椋木)太一  広島市議会議員
1975年、広島市生まれ。早稲田大学卒業後、出版社勤務などを経て2006年、読売新聞西部本社に入社。運動部記者時代はソフトバンクホークスを担当し、社会部では福岡市政などを取材した。2018年8月に退職し、2019年4月の広島市議選(安佐南区)で初当選。公式サイトツイッター@mukugi_taichi1