「婚活デートにカフェチェーン店はアリエナイ!」はありえないのか?

こんにちは!黒坂岳央(くろさかたけを)です。
■Twitterアカウントはこちら→@takeokurosaka

ガールズちゃんねるに興味深いお題が立てられました。それは「婚活で知り合った人に連れて行かれたお店が、カフェのチェーン店だった」との不満です。全体的なコメントの傾向としては「理想が高すぎる!」「何様?」という否定的なものでした。

私は先日、この件について次のようなツイートをしました。

このお題に対して思うところをお話してみます。

rose015/写真AC

話の全容と反応コメント

まずは今回の話の全容と、それに対しての反応コメントを見てみましょう。

30前半の女です。

婚活で出会った20後半の男性から、お茶に誘われました。

オススメな場所を出しあったのですが、相手から提案されたのはまさかのチェーン店でした…。

スタバやドトールなどではなく、椿屋珈琲みたいなところです。

2軒候補があったのですが、どちらもチェーン店。

ガッカリして、正直気持ちが萎えてしまいました…。

20後半の男性に期待しすぎでしょうか?

皆様のご意見、教えていただけると嬉しいです。

よろしくお願いいたします。

引用元:ガールズちゃんねる「初デートがチェーン店のカフェ」

このエントリーに対しての反応は次のようなものです。

うちの旦那もそんなんだったよ、庶民的でいいなーと思ったよ。

誘われるだけありがたいと思いな

男性で女性経験少なければ、オシャレなカフェ知ってる人の方が珍しいと思うなぁ・・・

20後半の男性に期待しすぎっていうより30前半で夢見すぎ。

というものです。

「誰かに大金をかけるのがかっこいい」という価値観の崩壊

昨今の20代後半男性の懐事情や価値観の変化を考えると、トピ主の理想は相手のニーズにマッチングし辛いオーダーに感じます。

20代後半男性の平均年収は393万円との調査結果があります。

25~29歳の平均年収:373万円

男性:393万円

女性:353万円

データ出典元:賃金構造基本統計調査・ 民間給与実態統計調査

決して少ないとは思いません。しかし、実年収ではなく、先行き不透明で将来不安を覚えるメンタリティを考慮すると、今の若者には「デートで相手に大金をかけたい」という感覚を”前時代的”に受け取る人もいるでしょう(もちろん、全員がそうであるとはいいません。あくまで傾向として)。

「初デートなのだから気合を入れて欲しい」という、トピ主の期待は分からなくもありません。しかし、今の若い20代男性はどちらかと言えば、「肩肘張らず、自分の身丈にあった楽に生きるスタイル」という価値観ではないでしょうか。

このあたりはデータを引用しているわけではなく、個人の感覚値となりますが、もしもこの認識が正しいとするなら、「初デートなのだから気合を入れて欲しい」というトピ主と、「初デートだからといって、無理しても…」という20代男性の価値観は相反することになります。

真面目に生きている人ほど、おしゃれなカフェは知らない

また、それなりに人生経験を積んでいるミドル年代ならまだしも、ド派手な生活をせず着実に積み上げる堅実な生き方をしている若い人は「チェーン店でない、おしゃれなカフェ」など知る機会があまりないのではないでしょうか。

私も20代は、そのようなおしゃれなお店に行ったことがほとんどありませんでした。彼女との初デートは新宿のビュッフェレストランで、当時の私は精一杯のおしゃれなお店へ連れて行ったつもりでした。ですが、今考えると大衆向けで、1,500円前後で済んでしまうビュッフェレストランへのデートでしたから、このトピ主からはバカにされてしまうかもしれません。

しかし、学生時代も派手なことはせず、社会人になってからも会社と土日に資格スクールで勉強をしていた私は、おしゃれなカフェを知る機会は皆無でした。それまでの浅い人生経験からひねり出した店が、ビュッフェレストランでした。おしゃれなお店を知らない、というのはド派手にお金を使わない堅実さ、から来るものと捉える余地は残されているように思えます。

若い男性に多くを求めてはいけない

男性は石を磨いて光らせるような性質があると考えます。最初は経済的に不安定で、おしゃれなカフェなど知らなくても、磨くことでキャリアアップをして、おしゃれな店を楽しむ経験値を持った大人の男性に磨くことが出来るでしょう。1,000円台のビュッフェレストランを「とっておきの勝負店」と信じ切っていた27歳だった私も、今は人生経験を経たことで当時よりさらにエレガントな雰囲気を醸し出すお店を、いくつか勝負店として持てるようになりました。

でも、その経験を持つには、20代後半では若すぎると思うのです。

20代後半の男性はスマートなエスコートは出来ないでしょう。完成され、経験豊富な男性を求めるとなると、必然的に年代層をあげることになります。しかし、逆に付き合う男性を自分色に染めることに醍醐味を感じられるならば、経験の少ないが故の魅力があると思うのです。

こうした問には100%の答えはありません。しかし、一つの意見を出すことが許されるとすれば、「20代後半男性は経験が浅いので、満足度の高いエスコートを求めるのはいささか期待値が大きいのでは?」と言えるのではないでしょうか。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

■無料で不定期配信している「黒坂岳央の公式メールマガジン」。ためになる情報や、読者限定企画、イベントのご案内、非公開動画や音声も配信します。

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。