わたしが苦手な THE “議運委”

大相撲夏場所千秋楽では、トランプ大統領杯が、前頭八枚目で優勝を果たした弱冠25歳の朝乃山英樹関に贈られました。一方、東京都議会夏場所は、6月4日から開幕いたします。議会にも取り組み(本会議)が行われる前に、「親方会議」のような慣習がございます。

大会派に属さぬ無党派新人を待つ現実

議会の親方会議とは「議会運営委員会」と申しまして、二層構造とあいなっております。

議会運営委員会理事会(非公開、議員も傍聴不可。議事録無し)

▲議会運営委員会理事会議室

議会運営委員会(どなたでも原則傍聴可能。議事録あり)

▲議会運営委員会室

お陰様で、当選を果たした、自由を守る会の新人3名、白川愛目黒区議会議員さんのへあや江東区議会議員高浜なおき文京区議会議員ですが、自由な議会活動を求め「一人会派・無所属」のスタートとなりました。

士気の高いメンバーが意気揚々と議員バッチをつけて登庁するや、特別区と呼ばれる東京23区の区議会(都議会も!)はトンデモない事態が待ち受けているのでございます。

仰天事実その1 一人会派を会派として認めず、会派名を公式に名乗れず「無所属」(その他)扱い。

→目黒区議会は区議会だよりに、議案対しての賛否の氏名も出してもらえない等、情報公開の世の中なのに、区民が投票した議員の態度表明を知ることができない!!
所属したい常任委員会や特別委員会なども、たいていは大会派のあまりものを当てがわれる。

一人を会派として認めない=無所属という理由から、議会全体の運営を協議する「親方会議」に出させない!(終わってから議会事務局の職員の報告を待つか、わざわざ聞きにいかねばならない)

仰天事実その2 議会運営委員会(通称 議運)及び議会運営委員会理事会に出席させてもらえない

→というわけです。お姐も江戸川区議会、東京都議会と一人会派と少数会派の経験があり、もぎりぎりオブザーバー議運理事(ひとりじゃないから議運委出してあげるけどオマメ扱い)として参加した経験があります。例えば舛添元知事の最末期などは、知事不信任を全会派から提出されようとしている中、説明にやってきたのも、非公開・議事録なしの議運理事会でありまして、争点となることが起これば重要な議論の場となるのであります。

でも、都民の目には全く触れない場なのであります。
だからこそ、無所属扱いでも全会派がはいるべきであります。

秘密裏運営、謎の“議運”

議運理事会(各会派代表数名ずつ)は議運委(理事会より倍以上の人数で構成)の上に乗っかった、お正月の重ね餅みたいな関係にあります。

議運理事会で、ほぼほぼ決まったことを、議運委で、お経のようにひたすら読み上げるというパターンが散見されております。
改めて、問題点を突き詰めますと…

仰天事実その3 非公開、議事録無しの都民への説明責任を放棄している議運理事会

仰天事実その4 議運委傍聴者に配られる資料は詳細のない項目のみの紙ペラ一枚

という、情報公開とは真っ向、逆行し「ふるい議会の生命維持装置」「心臓部」といったところでしょうか?

東京都議会委員会条例
(委員会の公開及び秘密会)
第十九条 委員会は、これを公開する。ただし、理事会は、非公開とする。

と、規定されています。

以前都議会で私も、オマメ理事として出席した際、大会派の都議が「理事会は最高意思決定機関!」と息巻いていらっしゃったのですが、そこには何の法的根拠もなければ、都民・区民不在、馴れ合、手打ち談合寄合の「親方秘密裏会議」と都民・区民に思われても仕方のないお寒い実態、とんだ「心臓部」でございます。
であるにも関わらず

仰天事実その5 議運委を開かなければ本会議が開けない。

仰天事実その6 議運理事会を経なければ議運委を開けない。

都議会HPによれば「各会派の代表者などで構成されており、議会の運営方法などについて協議しています。」とざっくりした説明しかなく、ますますナゾめいており、議運理事会はその存在すらも明記されていないのです。その必要性は一体…。

“議運”の存在意義とは

この“議運”…、お姐はとっても苦手でしてねぇ。

なんとなく大相撲でいうところの「八百長」を事前に決めているようなそんなイメージを毎度持ってしまいます。議運や理事会に入ったらはいったで、「理事会協議に同意したんだから、勝手なことをするな」と言われるわけです。

まったく、同意できなくても数の力でおしきられてムリクリ同意させれられるわけで、議運理事会出たらでたで少数会派や一人会派が無力化させられる、八百長に加担せざるを得ないようなことになる運営そのものにお姐はハテナマークなのです。

お姐が行く!

ゆえに、意欲ある一人会派・無所属の新人議員は、議運や理事会に出られないとクサる必要はまったくなく、議運で決められたことがおかしい!と指摘できる立場を大いに使えるのであります!!

先進的な地方議会は、理事会(協議会と呼ぶところもあり)にすべての会派が参加できたり、地域住民が傍聴でき、議事録もあったりします。ネット中継しているところもあります。

議員生活12年…未だ議運のレーゾンデートルがわからないお姐。
全国津々浦々の、士気の高い新人議員がギョーテンしている今のタイミングで

「あなたの感覚や、直観は、おかしくない」
「長いものに巻かれず、今はすぐに結果を出せなくても、その感覚をずっと持っていて!」

と伝えたくて本ブログを書きました!

日本全国の地方議会の議運の進化にむけて、ぜひ力を合わせていきましょう!!

上田 令子   東京都議会議員(江戸川区選出)、地域政党「自由を守る会」代表

東京都議会議員(江戸川区選出) 白百合女子大学を卒業後、ナショナルライフ保険(現ING生命)入社後、以降数社を経て、起業も。2007年統一地方選挙にて江戸川区議会議員初当選(44名中6位)。2期目江戸川区議会史上最高記録、2011年統一地方選挙東京都の候補全員の中で最多得票の1万2千票のトップ当選。2013年東京都議会議員選挙初当選。2014年11月地域政党「自由を守る会」を設立し、代表に就任。2015年3月地域政党サミット(全国地域政党連絡協議会)を設立し、副代表に就任。公式サイト