貫洞欣寛(かんどうよしひろ)さんの『沸騰インド』超大国をめざす巨象と日本、インドの今を多面的・多角的に知ることができて、とても読み応えがありました。
◯モディ首相の権力の源泉
・「メーク・イン・インディア」「デジタル・インディア」「クリーン・インディア」などキャッチーな政策を次から次に発信する。
・これまで州が一括で行ってきた発電、送電、配電部門を分離し、発電、配電部門には民間企業を参入させ、競争原理と透明性を導入。「インドで初の停電のない州へ」
・経済発展の芽があれば、役職に関わりなく自らが直接対話し、官僚に期限をはっきり与えた宿題を出す。大胆な企業誘致。
・清貧を貫く。記念品など各種の贈り物を、自分の官舎にも実家にも持ち帰らず、州政府の倉庫にしまい、年に1・2度競売して換金し、「州首相女性教育資金」と名づけて、州を通じて貧しい女性の奨学金とする仕組みをつくる。
・大多数の貧しいヒンドゥー教に配慮。
⇒ 「モディノミクス」と「ヒンドゥーナショナリズム」を巧みに使い分ける。
教育、宗教、司法、行政、ビジネス、文化、日本との関わりなどデータや分析・取材がしっかりしていてとても面白かったです。お勧め!
<井上貴至 プロフィール>
編集部より:この記事は、井上貴至氏のブログ 2019年6月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『井上貴至の地域づくりは楽しい』をご覧ください。