「雅子皇后がトランプ夫妻と通訳なしで話して盛り上がった凄い」と、ゴマをすっているマスメディアは本当にどうかしている。高く持ち上げて、あとで、逆さ落としにして皇室批判の材料にするのが偽リベラルのいつもの手口だ。
外交官の娘で帰国子女、海外留学、本人も外交官なのだから英語がネイティブ水準なのは当たり前だ。小学校、高校、大学がアメリカで、大学院もイギリスに留学されているのである。
英語力については、雅子様の英語を褒めるならスロベニア生まれのメラニア夫人の英語力こそ褒めるべきだ。26才で初めて渡米、国籍とったのは34歳。雅子様より上手なはずない。「メラニアさん英語お上手ですね」と雅子皇后こそ褒めてあげる立場だし、「メラニア夫人はアメリカで育ち学んだネイティブ同然である雅子皇后に劣らぬ英語力と社交性を発揮した」と称賛するべきなのである。
語学力に優れているのは、ほかの妃殿下も同様である。高円宮妃殿下はプロの英語の通訳だったし、フランス語も素晴らしい。スピーチ能力は英語・フランス語・日本語ともに雅子様より明らかに上だ。イギリスのカレッジ出身である三笠宮信子妃の英語もネイティブ水準の品のいいクイーンズ・イングリッシュだ。紀子様はアメリカ育ちでウィーンにも二年間おられた帰国子女である。海外で高等教育を受けられていないので、その分、ハンディはあるが英語・ドイツ語はそれなりの水準のようだ。
別に雅子皇后がほかの女性皇族より語学力や社交能力において明らかに優れているわけでない。外交官としての実務経験とかいっても、役所に入って数年だけであるし、海外に赴任して外交官として仕事した経験はないから外交官として陛下にとって最高のアドバイザーなどであるはずない。
あまり見当外れなよいしょは、皇后陛下にとって重荷となるだけであろうと思う。
皇后陛下にとっては、「まだ病気療養中で普通の仕事量は期待しないので、無理しないで慎重に、お得意分野中心でいいですよ」という控えめな暖かさが長い目で見て好ましいと思う。
両陛下は、この週末、植樹祭のために愛知県を訪れられた。これも、皇后陛下の体調を考慮して、平成の両陛下のときは二泊三日だったのが、一泊二日に短縮され、帰路は中部国際空港から羽田に戻られた。
疲れの出る帰路に市民と接触の機会を最小限にしたいという配慮だという。そのあたりについては、改めて論じたいが、私はそれでいいと思う。ただ、平成の両陛下とは違うスタイルで行きたいということは、両陛下からか宮内庁からか国民にきちんと説明した方がいいと思う。
どっちにしても、美智子皇后と同じスタイルでの公務を国民が期待し押しつけないようにすることが大事なのである。それは体調がゆえにということもあろうが、それと同時に、これまでも繰り返し書いてきたが、平成の両陛下が目指された象徴天皇像は普遍的なものでなく、多分に平成の両陛下の美学によるものだった。
それと違うからといって、昭和天皇のスタイルが否定されるべきものではなかったし、令和の両陛下がそのまま引き継ぐべきものでもないはずだ。