世界の女性が憧れるバッグの代表といえば、エルメスのバーキンです。
私の知り合いの富裕層の男性は、やんちゃなことをして、奥様に怒られる度に、バーキンを買って許してもらうと言ってました。彼にとっては、エルメスのバーキンではなく、妻へのバツキン(罰金)。いつもそう言って嘆いています。
そのバーキンは、常に品薄で、エルメスの店舗に行っても、常連にならないと売ってもらえないという話を聞いたことがあります。
ブランド品の中古ショップに行くと未使用品が定価より高く売られていることも珍しくありません。
需要があるのに、常に品薄状態にして、価格を維持し、ブランド価値を高める。エルメスにとっては、ブランド価値のシンボルのような商品ですから、売り惜しみして供給をコントロールした方がメリットがあるのです。
しかし、そんなエルメスも商売ですから、売り上げ目標が各店舗に貼り付けられているはずです。毎月売り上げの数字が達成できるかできないかで、売り場の社員の評価が決まる。月末近くになって、売り上げ目標が達成できない可能性が出てきたらどうするか?
私が売り場の責任者なら、在庫として大切に保管していたバーキンを放出することを考えるでしょう。
それも単品で販売するのではなく、他の商品と合わせて購入してくれる「太い客」なら、更に売り上げに貢献してくれます。
だから、品薄なバーキンは、月末に買いに行くと、販売が思い通りに進んでいない店舗で、売ってもらえる可能性が高まる。
ブランド品を売っている人たちも、ビジネスですから、営業成績を出さなければ、配置転換されたり、最悪クビになってしまいます。
華やかな世界に見えても、裏では激烈な競争を繰り広げているのです。そんな、売り手の心理を深読みすると、いつ買いに行くべきか見えてきます。
以上は飽くまで、私の推測です。
そもそも私には、100万円以上するバッグを買う人の気持ちは理解不能です。今まで買ったこともありませんし、これからも買う予定はありません。でも、そんな高いバッグを血眼になって探している人も、世の中にはいるのです。ブランドとは、人によってその価値が異なるのが面白いところです。
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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年6月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。