「川崎の事件見て…」元事務次官の犯行動機にネット衝撃

元農水事務次官の熊澤英昭容疑者(76)が、同居していた無職の長男(44)を刺殺した事件で、報道各社が3日の昼前後から、「川崎の事件を見ていて、自分の息子も周りに危害を加えるかもしれないと不安に思った」などと供述していると報じ、ネット民から報道関係者にまでさらなる衝撃が広がっている。

NHKニュースのツイッターには。

なんかもう やりきれんな。。。

やるせない

などの絶句する反応も相次いだが、

子供のメンタルのフォローより、親の面子にこだわった犯罪ですね。

などと熊澤容疑者を厳しく論評する意見もあった。

また、NHKの報道で、事件前に地元の区役所に長男のことで相談がなかったことに注目し、

行政のトップにいた人が、自身の家庭問題を行政に相談しなかった・できなかった、って事実。かなり深刻な意味合いを含んでいるように思います。

と社会における孤立の深刻さを指摘する意見もあった。

また、川崎の事件報道が悪い方向に作用した可能性が可視化されたことを指摘する声もあった。

マスコミや報道番組が、引きこもりを強調して煽ってる感がある。

この点は、やはり、報道機関が長らく事件報道の意義として「事件の再発防止」を名目に掲げてきただけに衝撃は大きいとみられる。

毎日新聞グループホールディングス取締役の小川一氏は「もしかしたら、川崎殺傷事件が事件のきっかけでは、と危惧していました。もし、本当にそうだとしたら、言葉が見つかりません。」と絶句。

NHKの首都圏ネットワークの高橋大地記者は、「事件の連鎖が起きているというのは、それを助長した側面もあるメディアとしてもつらい。 ひきこもりだから事件を起こすわけではないと、さらに強く訴えないと!」と自らに言い聞かせるようにツイートした。

作家の石井光太氏は「もし川崎殺傷事件のあと、報道が「こういう人や家族をどういうふうに支援していくべきか」という方向に向かっていたら、元事務次官の事件はどうなっていたんだろうと思う。事件報道が、より彼を孤立化させてしまった可能性もある。」という見方を示した。

一般のネット民の中には、

マスメディアがやり方を変える最後のチャンスなんじゃないかなこれ。

と指摘する人も。別の事件報道が犯行動機の引き金になったことが明らかになり、事件報道のあり方を見直す世論がますます強まるかもしれない。