「接続詞」の入れ方で文章は劇的にチェンジする!

Photos by K.Bito

接続詞とは、語句や文章をつなげるために使う言葉のこと。「しかし」「だから」「そのため」「そこで」「したがって」「すると」「だから」などたくさんあります。

今回は、14冊目となる著書『3行で人を動かす文章術』(WAVE出版)のなかから関連するエッセンスを紹介します。

接続詞は、つながっている2つの語句の“関係を示す”という大事な役割を持ち、使い方によって文章の意味合いが変わってきます。

A.あの店は高いが、しかし、うまい。
B.あの店はうまいが、しかし、高い。

「しかし」、という接続詞は文章を転換させるときに使います。日本語では「しかし」の後には、前の語句を否定して自らの主張を書くことが多いはずです。

A.の場合は、「うまい」ことが主張になり、B.の場合は「高い」ことが主張になります。B.だと高いことが強調されて、「高いのですすめられない」という意味合いが含まれてしまいます。今度は接続詞を変えてみましょう。

(例)あの店はうまい。ただし、高い。

この文章は、「高い」ことがメインになってはいますが、「やめたほうがいい」という強い否定の意思は感じられません。「高いがやむを得ない」という曖昧な意思にも読み取れますが、少なくとも断定している文章ではありません。

「ただし」は補足の役割を果たしています。補足なので、メインとして伝えたいことは、「あの店はうまい」という点にあります。わかりやすく言い換えると、「値段は高いけど、それでもよければ行ってみる?」という感じでしょうか。

人によっては「補足」された情報を重視して「入るのをやめる」人もいるでしょうし、「高いけど行きたい」と感じる場合もあるでしょう。「ただし」という補足は、受け取る側に決定をゆだねる緩やかな“のりしろ”があるといえます。また、接続詞を変えてみましょう。

<順接> 前が原因・理由、あとが結果・結論となる。
あの店はうまい。(だから、そのため、このため)、高い。

<逆接> 前の予想とは逆の結果に使用。
あの店はうまい。(しかし、けれども、けれども)、高い。

<並列>前に後の事がらを並べる。
あの店はうまい。(また、かつ)、高い。

<添加>前に後の事がらを加える。
あの店はうまい。(それにしても、そのうえ)、高い。

このように、接続詞によって文章の効果は大きく変わってきます。つまり、伝えたいこと、強調したい点にあわせてより効果的な接続詞を使うことで、文章のセンスが格段にアップするのです。接続詞は便利ですが、使い方によって文章の意味がまったく変わってきます。文章の流れを意識ながら効果的な接続詞を選んでください。

<参考書籍>
3行で人を動かす文章術』(WAVE出版)

尾藤克之(コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員)