日本経済新聞の記事によれば、アメリカでは手数料がマイナスの投資信託が登場したそうです(図表も同紙から)。投資信託を購入すると、手数料を支払うのではなく、お金をもらうことができる。その背景には資産運用会社の競争激化があります。
日本国内でも状況は同じです。ニッセイアセットマネジメントは今月末から、世界株式に投資するインデックスファンドの信託報酬を0.1090%から0.0999%に引き下げるそうです。三菱UFJ国際投信も追随すると報じられています。
このように日本国内でもインデックスファンドの手数料引き下げ競争の結果、投資信託全体の平均の信託報酬は低下傾向になっています。しかし、その数字を見るとまだ1.3%台と、かなりの高い水準であることがわかります。
年間0.1%を切る商品が登場する中で、平均が1.3%以上ということは、年間のコストが2%近い商品が存在していることを意味します。
金融商品の運用リターンを「確実に上げる方法」は、コストを下げることです。
例えば、信託報酬が1.5%の投資信託を同じ投資対象の0.5%の商品に切り替えれば、年間で1%資産運用のリターンが確実に改善します。信託報酬の高い高コスト投資信託が必ずしも高リターンとは限りません。過去の運用成績を見ると、コストとリターンの間には明確な相関はありません。であれば、低コストのインデックスファンドに切り替えた方が合理的ではないでしょうか?
投資信託を活用して、資産運用している投資家は、まず自分の保有している商品のコストをチェックしてみましょう。信託報酬が1%を超える「高コスト商品」はそのコストを補って余りあるくらいの期待リターンが無ければ、保有する合理的理由はありません。今すぐに低コストの投資信託にスイッチした方が良いでしょう。
個人投資家がコスト意識を高め、高コスト投信の残高が減少すれば、運用会社がさらにコストに対して敏感になり、資産運用のコストを下げていくことができます。
超低金利が続く中で、運用リターンはなかなか上がりません。例え0.1%であっても、金融商品のコスト引き下げは大切です。
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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年6月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。