ビットコイン急上昇も、日本の売り手が減少すると思う理由

藤巻 健史

フェイスブックの仮想通貨「リブラ」構想が明らかになり仮想通貨への期待が再び高まっている。またヘッジファンドなど一部の機関投資家が株式や債券などとは別に、ビットコインに投資するケースが増えている。

ここまでが日経新聞の新聞紙面。まさに先日の「第5回  仮想通貨税制を変える会」での松本大さんの分析と同じだ。

ところが電子版になると

ただ高値で購入し損失を抱えたままの投資家も多く、今後は戻り売りも交えた荒い値動きになるとの見方も出ている。

との文章が最後に追加されている。新聞社としては記事に反して下落した時の責任回避のためにデスクが付け足したのだと思料する。

写真AC:編集部

確かにこの数日間の急激な上昇を見て(特に最近参入した人達の)利益確定売りは出るだろう。しかし損失を抱えたままの投資家で心配になった人の損切りはすでに終わっている。購入価格に戻っての「やれやれ売り」は「もう仮想通貨はこりごりだ。2度とやるまい」と思う人達の行動だ。

それより価格が上昇し評価益を抱える人が増えるにしたがって売り手は(特に日本で)減少していくと思われる。最高55%の税金を喜んで払いたい人は少なく税制改革を待ちたいからだ。もちろんアップ&ダウンはある。しかし売り手が減れば値段は上がる。これが30年間、マーケットで大勝負をしてきた私の経験によるコメントだ。

藤巻 健史   経済評論家、参議院議員(比例、日本維新の会)

日本維新の会政調会長代行。元モルガン銀行東京支店長。ジョージ・ソロス氏アドバイザーを歴任。一橋大学卒、ケロッグ経営大学院修了 MBA取得。学校法人東洋学園大学理事。仮想通貨税制を変える会会長。オフィシャルウェブサイトTwitter「@fujimaki_takesi」


編集部より:この記事は、経済評論家、参議院議員の藤巻健史氏(比例、日本維新の会)のFacebook 2019年6月23日の記事をアゴラ用に加筆・編集したものを掲載しました。藤巻氏に心より御礼申し上げます。