党首討論:本当に解散はない?

先週の木曜日から、新聞テレビネットニュースなどは「衆参ダブル選挙は見送り」という論調一色で報じられています。

先週19日に国会で行われた党首討論での安倍総理の発言を受けてのことです。

解散について聞かれた安倍総理は「解散は頭の片隅にはない。頭の片隅にもない」と強調したことで、解散総選、すなわり衆参ダブル選挙が消えたとなりました。

私も党首討論後「ダブル選挙がなくなりましたね」と言われました。
しかし、解散については「総理大臣が嘘をついていい」というのが永田町の常識です。ですから、まだわからないと思いますよ。

一部報道ではダブル選挙がなくなったことで、参議院議員の単独選挙が7月4日の公示、7月21日投開票と日程が報じられています。もし、衆参ダブル選挙になったら7月28日の投票もしくは8月4日の投票という線も、全くなくなったわけではないと思います。

党首討論で解散総選挙について安倍総理に質したのは、日本維新の会の片山虎之助共同代表だけでした。立憲民主党の枝野幸男代表、国民民主党の玉木雄一郎代表はいずれもこれに触れませんでした。

衆議院議員選挙の準備が整っていないから、解散を迫って万が一にも解散されたら困る、触れたことが解散の引き金にはなりたくないと思惑もあるでしょう。日本共産党の志位和夫委員長は、「国民に信を問うべきだ。解散すべきだ」といつもは言うのですが、共産党でさえ昨日は言及しませんでした。

先ほども述べたように一部報道には「解散総選挙はない」と書いてあります。

しかし、野党はまだ内閣不信任案を出すことに含みを残しています。「仮に内閣不信任案が提出された場合、自民党は否決するのみ」とも書いてありますが、果たして内閣不信任案が提出されるのでしょうか。提出されたらどうなるのか。これに関して永田町は本当にわかりません。

ところで、参議院の単独選挙と衆議院とのダブル選挙、何が変わるかご存知ですか。

衆議院が解散され場合、かなり細かな衆議院の300小選挙区に加えて、比例代表、そして参議院の県単位の地方区と、全国比例区が同時に行われますから、これはもう日本全国、そこかしこで選挙となります。そうなれば、参議院単独選挙より注目が集まり、投票率も上がる可能性が高いと言われています。そしてなんといっても、283ある自民党の現有議席が一斉に動き始めることは、自民党には有利だと言われています。

ただですね、選挙だけはやってみないとわかりません。

さらにもう一つ大きく違うのがもう一つあります。
衆参ダブル選挙になった場合、投票用紙は皆さん合計何枚あるか知っていますか。
実は5枚もあります!

1度の投票にで衆参両方に投票できる。これはなんだか便利そうに聞こえますが、実は1枚目は「衆議院の小選挙区」、2枚目が「衆議院の比例区」、3枚目が「最高裁判事の国民審査」、4枚目が参議院の選挙区、5枚目が参議院の全国比例区と訳がわかんなくなりそうですね。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年6月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。