三浦瑠麗さんコカインの自己使用者にはセカンドチャンスはありませんか?

田中 紀子

昨日、仲間達から怒りのLINEが来たので、見てみたら私も怒ってしまいました。
それは「ワイドナショー」でよしもと芸人の闇営業問題が取り上げられていたのですが、そのコーナーでゲストの三浦瑠麗さんが、

こうやって皆さんが心配したり、叱咤激励するのも良いと思うけど、間違えちゃいけないのは、別に芸人さんはコカインをやったわけでもないし、誰かをあやめたわけでもないんですね。

犯罪しているんではなく、犯罪者集団が脅して週刊誌に色々なことを告げ口して、俺たちのところに来たぜっていってるのに振り回されると、彼ら行ってしまった芸人さんたちは、善良な市民として生きていこうとしているのに、私たちが社会から排除してしまったら本当によくないんですね。だからそこはセカンドチャンスを与えるべきだと思います。

と発言されたんですね。

フジテレビ「ワイドナショー」より:編集部

しかもこの発言は世間の皆さんに絶賛されているようですけれども、これに我々依存症者の家族が傷ついたんですね。

もちろん、このワイドナショーは松本人志さんの番組なので、三浦さんもそこにおもねっていたのだと思いますけど、よしもと芸人さん、特に松本人志さんの得意技である、身内をかばうために「薬物事犯をスケープゴートにする手法」を、またしても使われてしまったと、私なんかは悔しい限りです。

今回の事件も、詐欺集団と知りながら営業に行っていたという報道もある中、いつの間にか「犯罪者集団に騙されたうえに、犯罪者集団から情報を買った週刊誌悪い説」に、問題をすり替えようと躍起になっているように見えますが、私は、素直に間違っていましたと謝罪して、今後の再発防止策を講じればいいことじゃないの?
それで受け取っお金は、降り込め詐欺の被害者の人に還元出来ないかやってみるとか、そんな風にされたら良いと思うんですよね。

で、今回の三浦瑠璃さんの発言もですね、何故、問題を矮小化するためにコカイン事犯を出す必要があるんですか?

しかもそこと同列に並べるのが、殺人犯ってどれだけ薬物事犯を貶めるつもりなのでしょうか?
これ政治でもよくやる手法で、人気の下がった大統領が、薬物撲滅を叫ぶと人気が上がると言われているんですね。

何故、詐欺集団から大金を貰った芸人さんの気持ちは斟酌できるのに、子供が薬物を乱用してしまった親御さんの悲しみには寄り添えないんでしょうか?

それともう一つ、薬物問題を起こした人だって、善良な市民として生きていこうとしているのに、私たちが社会から排除してしまったらよくないとは思いませんか?セカンドチャンスを与えるべきだと思いませんか?

何故、そのチャンスが与えられるべき人ではないかのように、薬物事犯を持ち出すのでしょうか?
社会復帰を果たしている人だって、日本の芸能界にも沢山いるじゃないですか。

最近の芸能人が大きなプロダクションにおもねって、薬物事犯をスケープゴートにするやり方で、傷ついている当事者や家族が沢山いることに、想像力を働かせて頂きたいです。

三浦瑠璃さん、よしもと芸人の闇営業問題の発言で、薬物問題を抱える当事者とその家族を何故傷つける必要があるのですか?皆さん善良な一市民として再起を果たし、社会で生きているんですよ。
発言のご訂正をお願い致します。


田中 紀子
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表
国立精神・神経医療センター 薬物依存研究部 研究生
競艇・カジノにはまったギャンブル依存症当事者であり、祖父、父、夫がギャンブル依存症という三代目ギャン妻(ギャンブラーの妻)です。 著書:「三代目ギャン妻の物語」(高文研)「ギャンブル依存症」(角川新書)「ギャンブル依存症問題を考える会」公式サイト