参院選:日本にとって望ましい選挙結果はこうだ

いつも選挙のたびに言うのだが、私はどこの政党を支持するかより、自分が望ましいと思う結果に近づくように投票するし、それを人にも勧めている。

それでは、私が好ましい結果だと思うのはどんなあたりか。

写真AC:編集部

①自民・公明・維新で3分の2を確保してほしい。ただし、公明か維新かどちらかが抜けたら3分の2を失うくらいが良い。憲法改正は少なくとも真摯に議論すべき課題だ。改憲に否定的でない会派が3分の2を超えていた方が真剣な議論になる。

ただし、公明や維新が反対するような内容なら慎重でいたいから自民党単独で3分の2とか維新や公明党の同調を得られないでも強行できるのには反対だ。

②立憲民主党の躍進は、政権交代可能な野党を日本からなくしてしまうのでできる限り少なくしたい。私はやはり政権交代可能な二大政党・勢力が第2党になって欲しい。民主党・民進党は現実路線だったので迫力が無かった。だから、本気で政権を狙うより、中高年のノスタルジーと世代的既得権益を満足させればそこそこの議席は安定してとれるという旧社会党路線をとったのが立憲民主党だ。

多様性を代表するような候補を並べたというが、普通の価値観を持った人を排除しただけではないか。その立憲民主党が勢力を伸ばしたら、自民党以外に政権選択が難しくなる。

③国民民主党には、とくに立憲民主党との比較においてできる限り頑張って欲しい。

④社民党には日本の正統的革新勢力として消滅しないでほしい。ただし、いまの社民党は「社会主義は好きだが、共産主義が嫌いな人」の受け皿になっているのか自問してほしい。共産党より小さくなったのだから、共産党から支持者を奪い返すのがいちばんの党勢回復の決め手だと思う。

⑤このあいだの欧州議会選挙でも共産党の影も形もないに等しかった。EUで共産党という名の党があってそれなりに勢力があるのはフランスだけだが、500議席以上のうち11議席だけ。存在するだけ日本は特異だ。ただし、イタリアなどのように共産党が変身して伝統を引き継ぐことは否定しないわけで、現在の古い体質のまま勢力を維持することは彼らの変身の邪魔になるだけ。

⑥野党系無所属に投票することは何処の党に入るか白紙委任状を与えるようなもの。不真面目だ。

それでは私は、どう投票するか。地方区では定数2で自民・立民・共産では選択の自由を奪われたようなものだ。自民党は2人立てるか公明・維新を誰か出して欲しかった。国民民主も共産党現職と対決させるのに立民に譲るのはひどいではないか。

比例区は、私がこのましいと思う結果に近づくように、何人かの選択肢のなかから当落線上の候補者を慎重に選び出すことにしたい。

もちろん、候補者個人の魅力は大事だが、やはり、国政選挙は基本的には、政党を選ぶのが本来の姿だ。各党ともにちょっとどうかと思う候補もいるが、やはりそこは我慢するしかあるまい。

八幡 和郎
八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授