今週はいきなり本文をスタートさせて頂きます。
こんなテロが許されてよいのか?
京都アニメーションのスタジオ放火火災。まずは犠牲になられた方に哀悼の意を表します。またけがをされた方の一日も早い回復をお祈りします。
今回の事件は京都アニメだけの問題ではなく、アニメ日本にとっての産業的なダメージが残ってしまいそうです。この犯人が何を目的にあるいはどんな怨恨があったのかはわかりませんが、こういう形で恨みを晴らすことができてしまえばどんなところも危険というレッテルがついてしまいます。個人的には極めて低次元な恨み話ではなかったかと想像しており、くだらない恨みと取り返しのつかない損失のアンバランスさにコメントのしようすらありません。
日本は諸外国で起きるテロ事件とは比較的距離があり、そのような事件が起きても遠い国の何か、ということだったと思います。無差別な大量の犠牲者を伴う事件は広義のテロといってもよいでしょう。2016年にも相模原の障害者施設で大量殺人事件が起きましたが、安全な日本でも何が起きるか安心できないことになってしまったのでしょうか?
ただ、もう一点見過ごせないのは34名のうち、19名もの犠牲者が屋上につながる階段のところで見つかったことです。カギはついていなかったようだがなぜか開かなかった、これが犠牲者が増えた原因のようです。もしも建物の欠陥だったとすれば消防法上の大きな問題がそこに存在していたことになるかもしれません。
少なくとも何の罪もなかった若者たちの多くの命が奪われたことは歴史に残るべく事件となるでしょう。悔やんでも悔やみきれません。
主体性がなくなった日本の株式市場
日本の株価ボードをみてこの数カ月、「やる気ない相場」と名付けています。日本によるイニシエートが相場に生まれないのです。(もともとそんなものはないと指摘されるかもしれませんが。)東証売買代金はゴールデンウィーク明けからトレンドとして下向きが続き、この数週間は一日2兆円に届くときがたまにしかないという閑散ぶりであります。
韓国との不仲がより際立ってきてトランプ大統領も本当に嫌そうに「頼まれれば仲介しないこともないが(俺はそんなに暇じゃない)。」と言わせるほど傍で見ていると醜い状態です。逆に喧嘩する程暇がある、とも言えなくもなさそうです。
トランプ氏不満、時間取られたくない-文大統領が日韓への「関与」要請 https://t.co/cstW6k4hri
— ブルームバーグニュース日本語版 (@BloombergJapan) 2019年7月20日
一方、アメリカ。指標は高くなっていますが、個別を見るとぼつぼつ。大暴騰しているのは金と銀の採掘会社株。不和の時は金と銀が鉄則です。相場は始まったばかりとも言われる金相場。個人的にはオンス当たり1500ドル回復はさほど遠い時期ではないという超強気スタンスで臨んでいます。
イランは火薬庫、でも日韓も仏伊も火薬になりうるのか?
日韓関係は言うまでもないのですが、案外知られていないのがイタリアとフランスの関係。現在は第二次世界大戦以降最悪と言われています。一つにはフランスの黄色いベスト運動者とイタリア副首相が会談したことでマクロン大統領が激怒、フランスの駐イタリア大使召還まで行ってしまいました。もちろん、これだけが原因ではなく、両国の不仲は移民問題などで蓄積されていた上にフィアットクライスラー(FCA)によるフランスルノーとの事業統合計画もフランス政府の介在がご破算になりました。
こう見ると欧州では戦後75年経ち、あちらこちらで平和のほころびができたということでしょうか?その中でイランの米英に対する姿勢も厳しいものになってきました。アメリカのイラン無人機破壊の報道を受けイランが「我が国の無人機は全部戻ってきた」とし、アメリカが自分の国のものを爆撃したのではないか、と評しています。一方で、イランが英国のタンカーを拿捕し、同タンカーと連絡が取れない状態になってしまいました。これは英国がイランのタンカーをシリア制裁違反で拿捕した報復とみられています。
BBCニュース – イラン、ホルムズ海峡で英タンカーを拿捕 https://t.co/MWchjxJWbX
— BBC News Japan (@bbcnewsjapan) 2019年7月20日
日韓も仏伊も英米とイランも報復合戦になっています。なぜこんなことになったかといえば平和で穏やかだったオバマ政権の時代から力づくで奪い取れというトランプ方式に各国政府が感化されたとみています。安っぽい言い方をすれば「流行りに乗った」わけで政府という「まとも」だと信じられている頭脳集団も案外人間なのだな、と思わせます。逆にオバマ時代は我慢して苦しくてもニコニコしていた、ともいえるのかもしれません。
あぁ、思い出します、昔、カナダでエアロビクスのインストラクターから「苦しくても顔は笑って!」と言われ、鏡の前で踊る我々の突っ張った笑顔を。トランプ氏に言わせれば「苦しい時は苦しい顔をするんだ、怒るときは怒るんだ」ということでしょう。うーん、ギスギスしてきた感じがします。
後記
ジャニーズと忖度。喜多川さんがお亡くなりになったからでしょうか、めったに見ない公正取引委員会のジャニーズ事務所への注意喚起のニュースはある意味奇妙なタイミングだったと思います。しかもその中身は元SMAPの3人がテレビに出られないように圧力をかけたというずいぶん昔の話であります。芸能界はドロドロの世界でこれほど人間同士の関係が重視される業界も少ない気がします。そういえば闇営業の宮迫氏、引退と相成りました。人間関係が行き過ぎると詰まるというこれまた難しい世界であります。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2019年7月20日の記事より転載させていただきました。