今回の参議院選挙で顕著だったのは、公明党が攻撃の対象になったことだ。
公明党は、この攻撃をよく凌ぎ切ったと思う。
これで維新からも攻撃されるようになったら相当のダメージになっただろうな、と思うが、どうやら大阪の維新とは手打ちをしたようだから、党勢に陰りを示すようなことはなかった。
しかし、公明の物言いが実に慎重になったことは明らかである。
れいわ新選組の野原善正氏が東京選挙区から立候補し、公明党に真正面からガチンコ勝負を挑んできたことが大きかったと思う。
野原氏は創価学会壮年部であることを堂々と掲げ、公明党も創価学会の執行部も散々に批判していた。
いわゆる無党派層の方々は、宗教色が色濃くついている候補者は敬遠しがちで、野原氏は6年前に山本太郎氏が獲得した60数万票をそのまま承継することは出来なかったが、それでも公明党やその支持者の方々には野原氏の存在は脅威だったはずである。
公明党や創価学会の執行部の方々が必死だった、ということは想像に難くない。
多分、自民党の支持者の票のいくばくかは公明党に流れたはずである。
これまでは、自民党が公明党の組織票に支えられている、という評価がもっぱらだったが、実は公明党も自民党の組織票に支えられている側面がある、ということだ。
自民党と公明党の共依存関係が、いつまで続くか。
今回の参議院選挙では特に緩みや変調は見られなかったが、この先、何があるか分からない。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2019年7月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。