参議院議員選挙の結果について今日もお伝えしますが、希望は2議席を取ってくれた大躍進のれいわ新撰組についてです。
この党というか、山本代表の考え方には私自身考えさせられることが多かったです。
山本氏は自殺者が2万人を超え、自殺未遂者が50万人を超えている。
我が国、社会はまず地獄だと言っています。
>https://www.reiwa-shinsengumi.com/
「人間を単なる生産性で語るなと言い、存在している、生きているだけで価値がある、そういう社会にしよう」と主張しました。
具体的には「消費税を引き上げる」「凍結する」という議論から完全に離れて「廃止する」と主張しています。
では財源をどうするのかということになれば、「累進課税を強化し法人税を引き上げる」と言います。
それは確かに一つの考え方ですし、政権放送などを見ていた少なくない人が「そうだ!その通りだ!」と思ったかもしれませんが、要注意ですね。というのは、それは国内だけしか見ていないからです。
それなりに累進税率を引き上げれば、高所得者は日本からいなくなりますよ。また、法人税を引き上げれば、同様に日本の法人が世界から日本に営業するようになりますよ。そうした世界を俯瞰する見方ができていないから、この論理が展開できるわけです。
れいわ新撰組のお2人の当選者はいずれも体が不自由な方です。
1人目のふなごやすひこ氏はALS(筋萎縮性側索硬化症)患者、木村英子氏は脳性麻痺患者です。
参議院はお2人の議員活動が可能なような対応が必要になります。
例えば議場では、現状の議席への着席は無理ですからどこかにスペースを作ることになります。
かつては自民党に八代瑛太さん(本名:前島 英三郎)という車椅子の参議院がいらっしゃいましたからこれは簡単なことだと思います。
ただお2人の場合はこれにとどまりません。
採決のとき、押しボタンを押すことは難しいと思います。また、意思表示をどうするのかという問題もあります。
衆議院でも参議院でも、本会議場には国会議員本人しか入れない。これは今までは当たり前のルールだったんですが、お2人の場合は本人だけでは逆に入れないということになるでしょう。今日の参議院の議院運営委員会の理事会で介助者が入ることを認めるということになったようです。
また委員会発言も介助者がいたとしても時間を要することになると思われます。ましてや委員会の場合は1問1答で大臣が答えたことに対して、次の質問を考えて発言するということになりますから、こちらも時間がかかると考えられます。ですから、時間配分をどうするかということにもなります。こうした意味において障害者が国会で活動する意義は大きいと思います。
今回の特定枠、自民党が苦し紛れに作った仕組みと言えますが、徳島県と高知県・島根県と鳥取県が合区になり、あぶれた県の候補者を救済するためでした。自民党は島根県と徳島県の候補者がそれぞれ選挙区(合区)で当選しましたが、山本太郎氏はこの仕組みを巧みに活用して、障害者が国会に入る道を切りひらきました。これは作戦勝ちです。
山本氏ご本人は落選し、また彼の主張に要注意点もありますが、しかし当選したお2人の存在は、
国会での大きなメッセージになりますね。
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年7月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。