34人が犠牲になった京都アニメーション(京アニ)の放火事件の現場に残っていた原画のサーバーを巡り、朝日新聞が26日夜に報道した内容について、京アニの代理人を務める弁護士がツイッターで即座に訂正する一幕があった。
朝日新聞デジタルはこの日、京アニへの支援金が6億円を越したことを伝えた記事の中で、現場のスタジオ1Fにあったサーバーについて言及。
全焼したスタジオの1階にあり、コンクリートに覆われた部屋にあったサーバーが焼損を免れていたこともわかった。紙の原画は焼けたが一部がデジタル化されており、専門家の助言を受け、データを取り出せるか試みる予定という。
そして、この記事を配信したヤフーニュースやライブドアニュースのタイトルが当初、【京アニ放火 原画サーバー無事】と配信。
【京アニ放火 原画サーバー無事】https://t.co/wOxEI4fq5d
京都アニメーションで34人が死亡した放火殺人事件で、全焼したスタジオの1階にあったサーバーが被害を免れていたことが判明。専門家の助言をもとにデータを取り出す作業を進めているという。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) July 26, 2019
これには希望を膨らませた「京アニ」のファンらが
災難中の幸い。
京アニの魂の一部が残っていたのですね。
などと反応。このヤフーニュースのツイッターは27日午前0時過ぎの時点で1万6000ものRTをされる反響を呼んだ。
しかし、この報道は「勇み足」だったようだ。記事の配信から30分も経たないうちに、京アニの代理人を務める桶田大介弁護士がツイッターで次のように指摘した。
「第1スタジオ内のサーバーは焼損を免れた」と申し上げましたが、「無事」とは一言も申しておりません。
本文も、現在、復旧作業を進めている事実はなく、そのように申し上げてもおりません。「専門家の助言を受けつつ、データ回復のための準備を進めている」と申し上げました。
いずれも誤りです。 https://t.co/MhViRGSKhk— 桶田大介 (@DaisukeP) July 26, 2019
樋田弁護士からの連絡を受けて、朝日新聞サイドは見出しから「無事」を削除。「京アニ 原画サーバー焼損せず」に変更し、ヤフーニュースも同日深夜配信し直した。
【京アニ 原画サーバー焼損せず】https://t.co/wjvuXg9Dgf
京都アニメーションで34人が死亡した放火殺人事件で、全焼したスタジオの1階にあったサーバーが焼損を免れていたことが判明。専門家の助言をもとにデータを取り出す作業を進めているという。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) July 26, 2019
朝日新聞といえば、先日もハンセン病判決の控訴方針を巡って一面で誤報を出したばかり。ツイッターでは、
報道も精査しないといけない時代かw
正確じゃないニュースって、どうなんだよ
などのツッコミが続出したが、訂正後も、
彼らの魂がこもった作品、残ってるといいな…
せめてデータだけは残っていてくれ…
などと復旧への希望を願う人たちが相次いだ。
樋田弁護士はその後、ツイッターを連投し、「書面回答以外で対応することのリスクは大きいことを改めて実感」と嘆き、「高い関心が寄せられている事実につき、多額のご支援いただいていることもあり、ファクトの共有を旨としているが、今後はより慎重に対応します」と述べた。
できる限り誠実に対応しているのだが、これだけメディア記者のリテラシーにばらつきがあると、書面回答以外で対応することのリスクは大きいことを改めて実感。メディアスクラム回避のためのやむを得ない措置、として理解するほかないか…
— 桶田大介 (@DaisukeP) July 26, 2019
朝日新聞より連絡。見出し本文とも修正確認。Yahoo!トップの表題も要請いただいたとのことで修正を確認。意図せぬ誤報は残念だが、早急な対応には感謝。
高い関心が寄せられている事実につき、多額のご支援いただいていることもあり、ファクトの共有を旨としているが、今後はより慎重に対応します。— 桶田大介 (@DaisukeP) July 26, 2019