先日の私の憲法改正をめぐる発言について、多数のご意見をいただきました。私の発言は、従来からの考えを述べたものですが、改めて説明させていただきます。
まず、憲法についての考え方は、これまで国会論戦や選挙中にも申し述べてきたとおり、まずは、前の前の国会から積み残しになっている国民投票法改正案の議論を行うべきとの考えです。
国民民主党は、すでに改正案も提出していますので、特に、その中に盛り込まれているCM広告規制や外国人からの寄付規制等は必ず実現すべきとの立場です。成立に向け与野党の協力を求めていきたいと思います。
そして、憲法改正の中身については、安倍政権が出している改憲4項目の条文イメージ案、特に9条改憲案に国民民主党は明確には反対です。これも、国会論戦でも何度も申し上げているとおりです。
その理由は、安倍総理が、自衛隊の任務や権限は何も変わらないと言いながら、無制限に自衛権の範囲が拡大するおそれがあるからです。
他方、国民民主党は基本政策で、「未来志向の憲法議論を進める」としており、党として憲法議論を進めていく立場です。
個人的には、解散権の制約など立憲民主党などが主張しているようなテーマに加えて、53条の臨時国会の召集に具体的な期限を設けることや、同性婚を明示的に認めるため、24条の結婚の要件である「両性」の合意を「両者」の合意に変えたり、また、スイスのように、食料安全保障や食の安全を憲法に書き込むことなども検討してはどうかと考えています。
これらはいずれも、権力に歯止めをかけ、多様性を尊重する方向での提案です。まずは、党内議論を活発化させていきます。
今後、党首討論の場などで、安倍総理に対して9条改憲案の矛盾点を指摘しつつ、私たちの提案を直接ぶつけて徹底論戦したいと思います。そうすることで、安倍さんの改憲案の問題点が、国民の皆様にも分かりやすく伝わると思います。
最後に、私の「生まれ変わった」という表現についてです。
憲法改正については、党は従来から、憲法改正についてしっかり議論する「論憲」の立場でしたので、何か新しいことを述べたものではありません。
ただ、私がこう述べたのは、今回の参院選で全国を行脚し、大勢の方から、野党は追及のみならずもっと政策論争で勝負すべきとの声をいただいたからです。
私自身、何度も質問に立ち、モリカケ問題における公文書偽造など権力行使の問題点を浮き彫りにしてきた自負があります。
一方、この参院選でも問題となった年金問題や消費税増税への対応など、有権者の不安や悩みに応える国会論戦や対案の提示が十分できなかったことは率直に反省しています。
野党はスキャンダル追及ばかり、反対ばかりとの印象が国民に定着しており、こうした現状を大胆に変革していくぞ!そんな決意表明の意味で、私は「生まれ変わった」と、表現しました。
野党は、単なる反対だけでなく、これまで以上に対案を示し、議論する国会を回復させ、国民に対して建設的な政策論争をお見せしていかなければ、支持率アップも議席数増も望めないでしょう。
そして、野党が現政権に代わり得る政権勢力へと進化していくためには、これまでの固定的な支持層にとどまらず、ウイングを広げて一層幅広い層の共感を得ていくことが不可欠だと考えています。
そのためには、やはり、国会での議論が必要なのです。
皆様には、こうした考えをぜひご理解いただき、国民民主党に対する引き続きのご支援、ご指導賜れば幸いです。
*拙書「令和ニッポン改造論」の第1章に、私の憲法についての考え方をまとめています。ご一読いただければ幸いです。
編集部より:この記事は、国民民主党代表、衆議院議員・玉木雄一郎氏(香川2区)の公式ブログ 2019年7月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はたまき雄一郎ブログをご覧ください。