ホワイト国除外:信頼を失うのは一瞬、取り戻すのは一生

2019年8月2日、韓国向け半導体材料の輸出規制の強化について政令改正が閣議決定されようとしています。

日本政府がこの方針を発表して以来、韓国は「貿易、世界に対しての挑戦だ」と反発していましたが、「輸出しない」すなわち「禁輸措置」と言っているわけではなく、「今までの優遇措置を改めますよ」と言っているにすぎません。

何故こういう事態になっているのかをメディアは伝えているようで伝えないので、私がはっきり言いましょう!

文在寅大統領になってからの韓国政府は、既に解決済みの慰安婦問題や徴用工問題を蒸し返しています。これに対し、日本政府は「韓国政府がきっちりと国民に対して説明し、必要な措置を講ずるべきだ」と声明を発表し、さらには日韓請求権協定の中で決められている第三国を交えた仲裁委員会を設ける提案をし、韓国側の返答を待っていたにも関わらず返答のない失礼な状態が続いています。このような事から日本政府は輸出規制を強化することによって、「韓国の皆さん。今までの行いをよく考えてみなさい。」というメッセージを送っているわけです。

日本政府は韓国のこれらの行いに対して対抗策ははっきりとは言っていません。だから別の事で対応していますが、全く理不尽なことでは受け入れられない。日本政府はかなり良く考えた措置だと思います。

というのも、輸出貿易管理上、これまでも相手国を考察して規制を行ってきました。

輸出相手国というのは「ホワイト国」「非ホワイト国」「懸念国」「武器輸出禁止国」の4種類に分けられます。

ホワイト国というのは、世界の平和を脅かすような武器への転用や開発の恐れがある物品の輸出について法律や物品管理を徹底した国に対して、規制対象品の輸出手続きを簡略化できる国々のことで、日本にとってのホワイト国は世界中でわずか27ヶ国しかありません。

アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドをはじめ、ヨーロッパの主要国そして南米では唯一、アルゼンチンなどがあります。

ヨーロッパ:オーストリア、ベルギー、ブルガリア、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、英国
オセアニア:ニュージーランド、、オーストラリア、
北米:アメリカ合衆国、カナダ
南米:アルゼンチン
アジア:大韓民国

アジアでは韓国が唯一のホワイト国でしたが、安全保障上の貿易管理に関する国内運用の見直しで、韓国の輸出管理実態に疑問があるから、今回除外されることになります。

実際、シリアやイラン、北朝鮮などに化学兵器に転用していくことが可能な物品を輸出した複数の会社を韓国政府が行政処分しています。韓国政府が行政処分を行っている実態を、日本政府は韓国政府が管理できていない国と判断したと言うことです。

でも韓国の皆さん安心してください。
ホワイト国より非ホワイト国の方が多いんです。

先述のように、今までアジアでは韓国だけがホワイト国でした。台湾も中国もタイもインドもシンガポールもインドネシアもベトナムも非ホワイト国です。今までは韓国向けの半導体材料も特別優遇国として審査なしでしたが、これからは他の国々と同様に審査が必要です

そもそも信頼関係がなければ、特別優遇はありません。なぜ、日韓に信頼関係がなくなったのでしょうか。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年8月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。